今回は最新テクノロジーについてビジネス観点から深堀した記事をお届けしたいと思います。
未来の予測として有益な情報となっていますので、最後までお読みください。
まずは下記の動画をご覧ください。
最近ロボットがコーヒーを入れて提供するカフェの動画になります。
2022年、都心ではロボットがコーヒーを入れるカフェがチラホラと現れ始めました。
このような光景を見ると、技術の進歩は著しいと感じることが出来ますね。
そして、多くの人こう思います。
「そのうちカフェに人間の店員はいなくなるんだろうなぁー」
このような事を漠然と考えると思います。
さて、昨今AIやロボットに仕事を奪われるて私たちの仕事の殆どは無くなるという話を耳にしたことがあると思います。これは本当なのでしょうか?今回はこの件について深堀していきたいと思います。
AIやロボットの台頭と共に現れた詐欺師たち
巷でこの話は様々な詐欺師が使う常套句になっています。
例えば、
「単純な作業はAIやロボットに置き換えられ、置き換えられないスキルを身につけましょう」
「AIやロボットから取られない仕事は、人とコミュニケーションを取る必要がある仕事です。
気づいてる人は行動しています。早く動きましょう」
このような、薄っぺらい言葉で高額の情報商材やコンサル料を取ったり、果てはマルチなどを行っている人たちがいます。
私がサロンを始めた理由は世の中から騙される人減らして、考える力を持った人を増やしたいという思いからこのサロンを始めました。
今回のような記事から思考のプロセスの参考にしていただけると幸いです。
人はこうやって騙される
先ほど、薄っぺらい言葉を使う詐欺師が増えていると言いましたがどのあたりが薄っぺらいのでしょうか?
下記を例に見ていきましょう。
「単純な作業はAIやロボットに置き換えられ、置き換えられないスキルを身につけましょう」
このセリフには5W1Hがすべて含まれていません。
5W1Hが含まれていない話を聞いた時は聞いた人間が勝手に補完してしまいます。
例えば、友達から電話がかかってきた際に「もしもし、暇?」って電話がかかってきたとしましょう
この時、電話を受けた方は「私が今暇なのか?」と解釈して解答をすると思います。
誰といつを勝手に補完しているんです。
このように人を騙すときはわざと5W1Hを明確にせずに相手の都合の良いように補完させるという
テクニックがあります。
都合の良いように自分で補完しているのであまり疑問を持たなくなるというわけです。
「単純な作業はAIやロボットに置き換えられ、置き換えられないスキルを身につけましょう」
今回の話を聞いた時に、まずwhenとwhereを勝手に保管するでしょう。
そして、Howについては未知のテクノロジーで自分の知識では分からないのでで棚上げすると思います。
最新技術なら実現可能だと勝手に判断してしまうわけです。
whatに関しては最後の「置き換えられないスキルを身につけましょう」この文言で私のスキルや仕事が置き換えられると思ってしまうでしょう。
要は勝手に補完して自分に危機が訪れていると思ってしまうわけです。
つまり、騙されないためには5W1Hを精査して判断する必要があるということです。
【詐欺師に言われた言葉から勝手に補完して下記のように理解】
When:近いうちに
Where:日本で
Who:AIとロボットが
What:単純な作業や仕事を ⇒ 私のスキルや仕事
Why:AIやロボットでも実施できるので
How:最新の技術を使って置き換える
AIやロボットに仕事を取られるのは本当か?
少し脱線しましたが、AIやロボットに仕事が取られるのは本当であるかという所を考えてみましょう。
結論から言うと、
仕事は一部取られるかもしれないが人間の仕事がなくなることは少なくとも10年以上はかかる。
元の発端はこの記事だと思います。2015年にNRIから発表されたレポートで「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で大体可能に」と発表されました。
これを元に仕事がAIやロボットに取られるぞ!ヤバイ!と言っているわけです。
情報の出所としては問題ないので、実際に仕事が取られるんじゃないの?と思うかもしれませんが、
私はそうは思いません。
この記事は日本の労働人口の約49%が代替可能と言っているだけで仕事がなくなるとは言っていないのです。
別のレポートでThe Future of work in Japanというマッキンゼーが出したレポートがあります。
このレポートでは2030年には既存業務の27%が自動がされる見込みで結果1660万人分の雇用が代替される可能性があると記載がありますが、2030年には生産年齢人口比率が59.7%まで落ち込んでしまうことでトータル150万人程労働力が不足するとあります。
要はAIやロボットで自動化して雇用の27%をAIやロボットに置き換えても人が減るので労働力は不足しているわけです。
また、日本の業務の67%は技術的には自動化できるとのことですが少なくとも2030年には難しいので
10年くらいは仕事を取られることが無い事が分かりますね。
仮に67%すべてがAIやロボットに置き換えられたら少子高齢化で労働力が足りず、一人当たりGDPが低い日本で業務が自動化できれば残業時間も減って生産性の問題も解決して良い事ばかりでは無いでしょうか?
AIがルーチンワークを代替してくれればもっと他の事に人間の力を使うことができるわけです。
カフェから店員がいなくなるのはいつ?
最後に最初のコーヒーロボットの話に戻りますが、カフェから店員がいなくなるまでにどれくらいかかるでしょうか?考察してみます。
まず、どのような条件を満たせばカフェから人間の店員がいなくなるかを考えたいと思います。
まず、前提を決めていきましょう。
営業時間や時給を最寄りのカフェや東京の求人から目安として決めていきます。
営業時間:10:00~22:00
時給:1100円
1kWh 単価:30円
次にどのような条件を満たせばロボットが採用されるのかを考えていましょう。
最低限下記の条件を満たす必要があります。
人件費 > ラーニングコスト(電気代や機械利用料)
また、導入費用をどれくらいの期間で取り戻すことが出来るかが重要になってきます。
まずは電気代について考えていきます。
今回お見せしたコーヒーロボットの消費電力等の情報を見つけることが出来なかったので、
私が調べた業務用コーヒーメーカの消費電力で一番高かった消費電力の1500Wとアームを動かすのに必要な消費電力を1000Wと仮定して2500Wが消費電力とします。
これを電気料計算サイトに入れて計算しました。

月当たり2万7000円の費用が掛かることが分かりました。
同じ時間人間がコーヒーを入れた場合の人件費は
1100円/h × 12h × 30日 = 396,000円/月
ロボットが人間一人の代わりになるとすると36.9万円の人件費が浮くことになります。
かなりの人件費削減ですね。1年間で442.8万円の削減になります。
次にロボットの料金はいくらになるのでしょうか?
記事があまり見つからなかったのですが、下記2つの記事を参考にすると
700万円~1000万円ほどかかるようですのでロボットの購入費用をペイするには2年~3年ほどかかることが分かります。
コーヒーの淹れ方を3000時間学習したAIバリスタロボットが登場
1000万円のコーヒーメーカー!? ロボットアームがバリスタの動きを再現
購入費用の元を取るのに3年ほどかかると考えるとメンテナンス費や故障のリスクを考えるとまだ人間の代わりになるにはもう少し費用が抑えられないと難しそうです。
また、カフェにはコーヒー以外にもフードなども必要なのでこのロボットが出来たかからといっても人が完全に要らなくなることは無さそうですね。
また、追加で調べてみると下記のようなコーヒーロボットもありました。
アームを動かすよりも開発費が安そうで、沢山のコーヒーを同時に作れて良さそうと思いました。
rootc
こちらは値段の情報が無かったので、問い合わせしてみました。
5年使用料:7,500,00円
運搬、設置費用:300,000円
月額費用:250,000
報酬金額:売り上げの40%
消費電力:1400W
高すぎる・・・
これは利益目的の利用では厳しいですね。
まず、コーヒーが1杯300円で40%取られると売り上げは180円になります。
豆等の原価をrootCが負担してくれたとしても月額費用の元を取るのに月で1400杯ほど売らないといけないですね。一日あたりにすると47杯ほどになります。使用料を月当たりに直すと約13万円になりますので一日100杯くらい売ると利益が出るという感じですね。
都心の駅前だったら売れそうな気もする数字なので元は取れるのかもしれません。
しかし、個人で出店するお店で利用するには厳しい価格ですね。
以上の結果から、
結論:
日本からカフェの店員がいなくなることは価格の観点から当分は難しそう。
ただし、都心の駅前のカフェなどはどんどん無人化が進んでいきそう。
いかがだったでしょうか?具体的な日時を予測するにはまだデータが足りていないので難しいですが
あと、1~2年もすればもう少し具体的な予測ができると思います。
また、予測をすることで未知な物に対する不安も薄れてくると思います。
皆さんも世の中に疑問を持って調べる癖をつけてみてください。