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2026年3月28日

沖縄高専出身の社長が東京で会社を作るまで — 地方高専生に伝えたいこと

賑やかな海岸沿いの近代的な高層ビルと伝統的な日本の建物が調和した街並みは、都市と海岸の環境のコントラストを示している。.

株式会社K.Platinum 代表取締役 沼田海斗


沖縄から東京へ。

地方の高専を卒業して、東京でITコンサル会社の代表取締役をやっている。こう書くと、なんだか順調なキャリアに見えるかもしれません。でも実際は、不安だらけの連続でした。

「東京でやっていけるのか?」「大卒に埋もれないか?」「沖縄に帰りたくならないか?」

地方高専の在学生なら、一度は考えたことがあるんじゃないでしょうか。少なくとも僕はそうだった。

この記事は、沖縄高専を出て東京に来た僕が、ここまでの道のりで感じたリアルを、飾らずに書くものです。地方高専にいる学生が「自分にもできるかも」と思える、そういう記事にしたいと思っています。


沖縄高専の5年間

僕がいたのは、沖縄工業高等専門学校のメディア情報工学科。15歳で入学して、20歳で卒業するまでの5年間、プログラミング・ネットワーク・データベースなど、IT技術の基礎を実践的に叩き込まれました。

沖縄高専の特徴は、何と言っても「環境」です。

周りに誘惑が少ない(笑)。那覇市内からバスで1時間以上かかる名護市にキャンパスがあって、寮生活。遊びに行こうにも、そもそも行く場所がない。結果として、技術に向き合う時間が自然と増える。

これは後から振り返ると、めちゃくちゃ恵まれた環境でした。

東京の大学に通う同年代が合コンやサークルに時間を使っている間に、僕たちは毎日コードを書いていた。この5年間の「技術の蓄積」が、後に東京で勝負するときの最大の武器になります。

一方で、デメリットもあった。

情報の格差。 東京にいれば当たり前に入ってくるIT業界のトレンドや、スタートアップのリアルな空気感が、沖縄にいると届きにくい。インターンの選択肢も少ない。「東京にはもっと面白い世界があるらしい」と聞いても、実感が湧かない。

ロールモデルの不在。 地方高専から東京に出て、自分でキャリアを切り拓いている先輩の話を聞く機会がほとんどなかった。推薦で大手メーカーに入るのが「正解」とされる空気のなかで、それ以外の選択肢を想像すること自体が難しかった。

だからこそ僕は今、この記事を書いています。


東京に出たときのリアル

高専を卒業して、最初に就職したのはトヨタシステムズ。愛知県で働いた後、東京に来ました。

最初に感じたのは、スピード感の違い

沖縄では「なんくるないさー(どうにかなるさ)」の空気がある。東京には、ない。みんな速い。電車のドアが開く前にホームに立つ位置が決まっている。会議は時間ぴったりに始まる。ランチは15分で済ませる。

最初は正直、息が詰まりました。

家賃の衝撃。 沖縄の寮生活からいきなり東京のワンルーム。同じ広さなのに家賃が3倍。「東京って、生きるのにこんなに金がかかるのか」と驚きました。

「高専卒」の見られ方。 大卒・院卒が大多数を占める環境に入ると、「高専って何?」から説明しないといけない場面が多い。大手の同僚からは「短大みたいなもの?」と聞かれたこともある。悔しかったですね。

でも、この悔しさが原動力になった。


地方出身・高専卒が東京で持っている武器

地方高専卒が東京で持っている4つの武器

東京に来て数年経つと、地方高専出身であることが「弱み」ではなく「強み」になっていることに気づきました。

実践力。 高専で5年間手を動かし続けた経験は、大卒1〜2年目のエンジニアとは比べ物にならない差を生みます。コードが書ける、設計ができる、トラブルシューティングの勘が効く。これは座学では身につかない、高専卒の最大のアドバンテージです。

ハングリー精神。 地方から出てきて、周りは東大・早慶出身ばかり。学歴では勝てない。だからこそ「実力で証明するしかない」という覚悟が自然と身につく。この飢餓感は、都会で不自由なく育った人にはなかなか持てないものです。

素直さ。 これは沖縄の文化が大きいかもしれません。人に教えてもらうことに抵抗がない。「わからないことはわからない」と言える。東京の実力主義の環境では、この素直さが成長速度を加速させます。変にプライドが高い人は、自分の弱みを認められないから成長が止まる。

コミュニティの価値を知っている。 地方の高専は少人数制で、先輩・後輩・同期との繋がりが強い。人と繋がることの大切さを、体で知っている。東京に出てからも、この「人を大切にする」感覚が活きました。


高専カンファレンスと、高専コミュニティへの想い

K.Platinumの従業員17名のうち、高専出身者は8名。約半数が高専OBです。

これは意図的にやっています。

高専卒のエンジニアは、技術力が高い。それなのに、「大卒じゃない」というだけで正当に評価されない場面がまだまだある。僕はこの構造が嫌で、実力主義の会社を自分で作りました。

そしてもう1つ、僕がやりたいと思っていることがあります。

高専カンファレンスの開催。

高専プロコンへの協賛はすでにやっていますが、それだけでは足りない。地方の高専生が「東京に出てもやっていける」「高専卒でもこういうキャリアがある」というリアルな情報に触れる機会を作りたい。

僕が在学中に一番欲しかったのは、「自分と同じ地方高専出身で、東京で活躍している先輩のリアルな話」でした。推薦で大手に入ることだけが正解じゃない。もっと多様なキャリアがあることを、在学中に知りたかった。

高専カンファレンスは、その機会を作るための取り組みです。K.Platinumの高専出身メンバーが、自分のキャリアをリアルに語る場。地方の高専生にとっての「ロールモデル」を提供する場。


地方高専生に伝えたい3つのこと

地方高専生に伝えたい3つのこと

最後に、地方の高専にいる学生に伝えたいことを3つだけ。

1. 高専の5年間は、東京でも通用する。

「地方にいるから不利」と思うかもしれないけど、高専で培った実践力は東京のどんな環境でも武器になる。大学4年間で座学中心の勉強をしてきた人と、5年間毎日手を動かしてきた人。実務の現場で強いのは、圧倒的に後者です。自信を持ってほしい。

2. 東京は怖くない。でも覚悟はいる。

家賃は高い、人は多い、スピードも速い。最初は圧倒されるかもしれない。でも半年もすれば慣れる。大事なのは「なんのために東京に来たのか」を忘れないこと。目的を持って来た人は強い。流されて来た人は東京に飲まれる。

3. 「推薦で大手」だけが正解じゃない。

高専の就職率は驚異的に高くて、推薦で大手メーカーに入れる。それは素晴らしい選択肢です。でも、それが唯一の選択肢ではない。スタートアップに入る、コンサルに行く、自分で起業する。高専卒のキャリアはもっと多様でいいはずです。

僕は24歳で起業した。資本金10万円、社員1人から。ママチャリで日本一周した経験と同じで、「走り始めれば着く」と信じていた。そして実際に、今ここにいます。


K.Platinumは、地方高専出身者が活躍できる場所です。「学歴」ではなく「実力」で評価される場所。

沖縄からでも、九州からでも、四国からでも。東京に出て勝負したいと思ったら、話を聞きに来てください。同じ道を通ってきた先輩が、ここにいます。


沼田海斗(ぬまた・かいと)
株式会社K.Platinum 代表取締役。沖縄工業高等専門学校メディア情報工学科卒。トヨタシステムズでPLを経験後、スタートアップITコンサルティングファームを経て、24歳でK.Platinumを設立。現在3期目、27歳。プロキックボクサーとしても活動中(3戦)。高専卒業間際にママチャリで日本一周を達成。


K.Platinumでは高専出身エンジニアを積極採用中です。
学歴ではなく実力で勝負したい方は、ぜひ[採用ページ]をご覧ください。

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