僕の会社は、17人中8人が高専卒だ。
ITコンサル業界でここまで高専出身者の比率が高い会社は、たぶん他にない。47%。エンジニアのほぼ半数が高専という組織をつくっていると言うと、たいていの人は「なんで?」という顔をする。
それにはちゃんと理由がある。そしてその延長線上に、今回の「高専カンファレンス」の開催がある。
この記事では、K.Platinumがなぜここまで高専コミュニティに投資するのか、そしてカンファレンスを通じて何を実現したいのかを、包み隠さず書いていく。
なぜK.Platinumは高専生をここまで採用するのか
まず、自己紹介をしておく。
僕、沼田海斗は沖縄高専の卒業生だ。24歳で起業して、今は3期目・27歳。株式会社K.Platinumという、ITコンサルと開発を一気通貫でやる会社を経営している。
高専時代を思い返すと、「就職先の選択肢がよくわからない」という感覚があった。大学進学か、大手メーカーか、それくらいしか見えていなかった。当時の僕には、ITコンサルやスタートアップという選択肢は、ほとんど視野に入っていなかった。
その感覚が起点になっている。
自分で会社を立ち上げたとき、「高専出身者が活躍できる場所を、もっと見えやすくしたい」と思った。採用をはじめたら、高専卒のエンジニアは予想以上に優秀だった。論理思考が鍛えられていて、技術への素直な好奇心があって、「わからないことをわからないと言える」態度がある。
気づいたら、チームの約半数が高専出身になっていた。意図して高専だけを採用しているわけではない。でも結果として、この比率になった。
ひとつ補足しておくと、採用において「高専出身者限定」というフィルタはかけていない。大卒・院卒・独学エンジニアも当然いる。ただ、K.Platinumという会社の文化・仕事のスタイルが、高専出身者にフィットしやすいのだと感じている。それが自然と今の比率につながっている。
高専出身エンジニアが「強い」と感じた3つの理由

採用を続けながら、高専出身のメンバーと仕事を重ねていく中で、いくつか「これは強みだな」と実感したポイントがある。
1. 実装と上流を行き来できる
高専のカリキュラムは、理論と実装が近い距離にある。大学で学ぶような抽象的な概念と、実際に動くコードが直結して教えられる。このおかげか、上流のコンサルワーク(要件定義・業務設計)とエンジニアリングの両方をこなせるメンバーが多い。K.Platinumが「SI × ITコンサル」を標榜できているのは、高専出身者の存在が大きい。
特に僕が評価しているのは、「この実装が本当にビジネス要件に応えているか」を自分で判断できる力だ。コンサルはプレゼンや資料をつくるだけの仕事じゃない。「何がシステムとして実現可能か」をリアルに理解している必要がある。そこで高専出身者の実装感覚が効いてくる。
2. 専門性への執着がある
高専は5年間(専攻科まで行けば7年間)、特定の専門分野を深く学ぶ場所だ。この「1つのことを深く掘る」習慣が、仕事においても生きてくる。プロジェクトで課題に当たったとき、「わかりません」で止まらず、「どうすれば解けるか」を自分なりに調べ続ける力がある。
一方で、この専門性がある種の「頑固さ」になるケースもある。コンサル的に柔軟に論点を切り替えることや、クライアントの言葉で話すことは、最初は少し時間がかかる人もいる。ただそれは、入社後の経験でカバーできる部分だ。むしろ最初から「なんでもできます」と言う人より、芯のある人のほうが長期的には伸びると感じている。
3. 素直さと謙虚さ
これは意外かもしれないけれど、高専出身者は「知らないことを知らないと言える」人が多い。大学のプライドとはまた違う、純粋な技術への姿勢がある。チームに入ってから伸びるスピードが速い。
実際に、最初は「自分は専門外です」と言いながら、3ヶ月後にはその領域のリードを任されているメンバーが何人もいる。成長の角度が明らかに違う。
技術コミュニティへの投資 — 採用ではなく「還元」として
正直に言う。高専カンファレンスを開催するのは、採用目的だけじゃない。
もちろん、K.Platinumのことを知ってもらう機会になれば嬉しい。でも、それより大事にしたいのは「還元」という感覚だ。
僕が高専生だった頃、誰かが「こんな会社があるよ」「こんなキャリアもあるよ」と教えてくれたら、もっと早く動けたかもしれない。地方の高専生は、東京の求人情報も業界の話も、圧倒的に届きにくい。SNSで情報は増えたとはいえ、リアルなコミュニティで経験者と話す機会は、まだまだ少ないのが現実だ。
そこに、少しでも貢献したい。
K.Platinumが「技術コミュニティへの投資」と言うとき、それはイベントを一回やって終わりの話じゃない。高専出身のエンジニアが集まって、キャリアの話をして、技術の話をして、「こういう働き方もあるんだ」を互いに発見できる場を、継続的につくっていく。そのための第一歩が、このカンファレンスだ。
経営者として考えると、コミュニティへの投資はROIが見えにくい。「カンファレンスをやったから採用につながった」という単純な方程式にはならない。でも、それでいいと思っている。高専コミュニティ全体が盛り上がれば、エンジニアとしての選択肢が増えて、結果的にK.Platinumにも優秀な人が来やすくなる。長期で見れば、正しい投資だと信じている。
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高専カンファレンスで実現したい3つのこと

今回のカンファレンスで、具体的に実現したいことを3つ挙げる。
1. 高専生同士が「横につながる」場をつくる
学校の枠を超えて、高専出身のエンジニアが集まれる場がほしい。同じバックグラウンドを持つ人たちが話すと、共鳴する部分が多い。「あー、わかる」という瞬間が、孤独を薄めてくれる。その化学反応を起こしたい。
2. キャリアの多様性を「実例」で見せる
大手メーカー・大学院進学・スタートアップ・ITコンサル・フリーランス。高専出身者が実際にどんなキャリアを歩んでいるか、リアルな声で聞ける場をつくる。僕も当日話すし、K.Platinumのメンバーも登壇する。「こういう道もあったのか」という発見を、一人でも多くの参加者に持ち帰ってもらいたい。
3. 技術発表でアウトプットの場を提供する
学生・社会人問わず、技術的なアウトプットを発表できるLT(ライトニングトーク)枠を5〜10分で設ける。発表することで学ぶことが、技術者としての成長における最短経路のひとつだと思っているからだ。
「うまく話せなくても大丈夫」というムードを大事にしたい。発表の練習をしたい人にも、業界の話を聞きたい人にも、単純に仲間と会いたい人にも、開かれたカンファレンスにする。
詳細の日程・応募方法は、近々SNSとブログで告知する予定だ。高専生、高専卒業生、高専出身者と関わりたい方はぜひフォローしておいてほしい。
高専出身者へのメッセージ
地方の高専を卒業して、東京でITコンサルをやっている。会社をつくって、もう3期目に入った。
振り返ると、高専で培ったものが今も全部生きている。「難しい問題を分解して解く」という習慣、「動くものをつくれる」という自信、「専門性を磨くことへの誇り」。これは、大学4年間ではなく、5年間の高専生活で身体に染み込んだものだ。
同時に、高専卒業後に「自分は大卒より劣るんじゃないか」と思った瞬間も、正直あった。社会に出てから学歴を感じる場面もあった。でも、実力で乗り越えてきた。高専で身についた「手を動かして解く力」は、どんな現場でも必ず評価される。
高専生のキャリアに、もっと選択肢があることを知ってほしい。大手メーカーや公務員だけが正解じゃない。ITコンサルも、スタートアップも、起業も、すべて現実的な選択肢だ。
K.Platinumは今17人の組織だけど、来期は20人の採用を目指している。その枠の多くを、高専出身者で埋めたいと考えている。採用の話だけじゃなく、一緒に高専コミュニティを盛り上げていける仲間を探している。
カンファレンスに来てくれた人に、直接会えるのを楽しみにしている。
沼田海斗 / 株式会社K.Platinum 代表取締役
沖縄高専卒。トヨタ自動車で開発・品質管理に従事した後、スタートアップITコンサルに転職し、24歳で起業。K.Platinumは「エンジニアに最大の成長環境と報酬を」をビジョンに掲げ、ITコンサルと開発を一気通貫で提供している。3期目・27歳。資本金10万円から始め、現在2,000万円に成長。17名中8名が高専出身という唯一無二のチームを築いている。
K.Platinumでは一緒に働くエンジニアを募集しています。「実力で正当に評価される環境」に興味がある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。

