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2026年3月30日

2年で20プロジェクト。資本金10万円から始めた会社のリアルな成長記録

植物と木が回路パターンと融合し、街並みの上に自然とテクノロジーが融合したデジタル・イラストレーション。.

株式会社K.Platinum 代表取締役 沼田海斗


2023年3月20日。資本金10万円。社員は自分1人。

ここがK.Platinumのスタート地点でした。

「資本金10万円で会社なんて作れるの?」とよく聞かれます。作れます。会社を作ること自体は、実は簡単です。難しいのは、そこから生き延びて、成長させること。

この記事では、設立から3期目の今に至るまでに起きたことを、できるだけ数字ベースで、リアルに振り返ります。起業を考えているエンジニアにとって、「実際のところどうなの?」という疑問に答える記事にしたい。カッコいい話だけじゃなく、泥臭い部分も含めて。


設立前夜 — 辞めると決めた日

K.Platinumを作る前、僕はスタートアップのITコンサルティングファームで働いていました。実力主義の環境で、年齢も学歴も関係なく評価される。そこで上流コンサルティングのスキルを磨き、クライアントとの折衝力を身につけた。

キャリアとしては順調だったと思います。

でも、IT業界の構造を俯瞰で見たとき、「この中にいる限り、エンジニア全体の評価は変わらない」と確信しました。多重下請け、人月商売、年功序列。構造の外に出て、自分でルールを作るしかない。

退職を決めたのは、2022年の冬。24歳になる直前でした。

「起業しよう」と思ったのは衝動ではなく、計算です。

ITコンサルの単価水準を知っている。案件の獲得ルートがある。最初の数ヶ月を自分1人で回せるだけの案件が見えている。リスクは家賃数ヶ月分。失敗しても、コンサルに戻れば食っていける。

「やらない理由がない」状態を作ってから、辞めました。


Year 0 — 設立(2023年3月)

設立日: 2023年3月20日
資本金: 10万円
社員: 1名(自分だけ)
オフィス: なし(自宅兼事務所)

資本金10万円というのは、合同会社であれば1円から設立できる時代に、あえて最低限の金額で始めたということです。見栄を張って資本金を大きくする意味はないと判断しました。必要なのは資本金の額面ではなく、案件を取ってくる力と、品質の高い成果を出す力。

最初の案件は、前職時代のつながりから。ITコンサルの世界は、信頼ベースで仕事が回ります。「沼田さんなら安心して任せられる」と言ってもらえる関係を前職で作っていたことが、独立初日から収益を生む結果につながりました。

教訓: 起業の準備は、退職する前から始まっている。在職中に「この人と一緒に仕事がしたい」と思わせる実績と信頼を積むこと。これが最大の初期投資。


Year 1(2023年度)— ゼロからイチへ

社員数の推移: 1名 → 5名
手がけたプロジェクト: 約8件
主な業種: 製造業、金融、IT

最初の半年は、僕1人で2〜3案件を並行して回していました。コンサル案件の提案書作成、プロジェクトマネジメント、クライアントとの定例会議。全部1人。

人が足りない。でも案件はある。

これが最初の壁でした。

採用が最優先課題になった瞬間。 売上を伸ばすには人を増やすしかない。でもスタートアップに来てくれるエンジニアはそう簡単には見つからない。大手で安定している人に「資本金10万円の会社に来ませんか?」と声をかけて、何人が首を縦に振るか。

転機になったのは、高専のネットワークでした。

僕が沖縄高専出身であることを知った高専OBが「話を聞きたい」と連絡をくれた。面談してみると、技術力が高くて、ハングリー精神がある。大手で燻っている優秀なエンジニアが、高専OBの中にたくさんいた。

1期目の終わりには5名体制。全員が即戦力。「高専ネットワーク」が採用のブレイクスルーになりました。


Year 2(2024年度)— イチからジュウへ

K.Platinum 成長タイムライン

社員数の推移: 5名 → 17名
手がけたプロジェクト: 累計約20件
主な業種: 外資金融、製造業AI、公共、IT

2期目は「拡大」のフェーズでした。

社員が5名を超えると、会社の課題が一気に変わります。「案件を回す」だけでなく、「組織を作る」必要が出てくる。

評価制度の設計。 エンジニアのスキルを可視化し、実績に基づいてフェアに評価する仕組み。共同創業者の前蔵さん(東大博士・元量子コンピュータ研究者)が中心となって設計しました。年功序列でも、マネージャーの主観でもない。データドリブンな評価制度。

案件の大型化。 大手外資金融のDXプロジェクト、製造業のAI一元管理プラットフォーム、5,000人規模の営業支援アプリ。1件あたりの規模が大きくなり、複数メンバーでチームを組んでアサインする体制に移行しました。

教育事業の立ち上げ。 プログラミングスクール「ジゴカツ」と、合宿型ブートキャンプ「Guts Bootcamp」。未経験者をエンジニアに育てる教育事業を開始。「エンジニアの入り口」を自社で作る。

資本金の増資。 10万円 → 2,000万円。事業の成長に合わせて、段階的に増資を実施しました。


数字で見る3期目の現在地

設立時 vs 現在 比較

3期目、27歳。設立から約2年が経ちました。

項目 設立時 現在
社員数 1名 17名
資本金 10万円 2,000万円
累計プロジェクト数 0件 約20件
高専出身者比率 47%(8/17名)
事業領域 ITコンサルのみ コンサル+開発+教育+独立支援
オフィス 自宅 東京都港区東麻布

数字だけ見ると順調に見えるかもしれません。でも、この裏には数えきれない失敗と試行錯誤があります。


うまくいかなかったこと

成長記録を書くなら、失敗も書かないとフェアじゃないので。

採用のミスマッチ。 全員がK.Platinumのカルチャーに合ったわけではない。「実力主義」を掲げる以上、合わない人が出てくるのは避けられない。採用基準の精度を上げていくことが、今も続く課題です。

案件の選択ミス。 「取れる案件は全部取る」というフェーズから「選んで取る」に移行するタイミングを見誤ったことがある。規模は大きいが利益率が低い案件に人を張りすぎて、他の案件に手が回らなくなった。

自分がボトルネックになる問題。 代表が営業も提案もPMもやっている状態は、5名まではワークする。でも10名を超えると回らなくなる。権限移譲と組織設計を後回しにしたツケが、2期目後半に一気に来ました。

これらは全部、リアルな反省点です。


これからの話

3期目の終わりが近づいて、4期目に向けたプランを練っています。

30名体制。 来期中に30名まで拡大する計画。ただし「数を追う」のではなく「質を維持したまま成長する」ことが条件。

上流から開発まで一気通貫。 これまでもやってきたことだけど、さらに深化させる。コンサルと開発を分断しない、ワンチームでの価値提供。

エンジニアギルド構想。 K.Platinumを「会社」ではなく「ギルド」にしていく。エンジニア個人の市場価値を最大化し、正当な報酬と適切な案件マッチングを実現する。これが中長期のVision。

資本金10万円から始めた会社が、どこまで行けるか。

正直、まだ道半ばです。でも2年前に走り始めたことだけは、間違いじゃなかった。


沼田海斗(ぬまた・かいと)
株式会社K.Platinum 代表取締役。沖縄工業高等専門学校メディア情報工学科卒。トヨタシステムズでPLを経験後、スタートアップITコンサルティングファームを経て、24歳でK.Platinumを設立。現在3期目、27歳。プロキックボクサーとしても活動中(3戦)。


K.Platinumでは一緒に成長するエンジニアを募集しています。
「資本金10万円のスタートアップで挑戦したい」という方は、ぜひ[採用ページ]をご覧ください。

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