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2026年10月18日

高専プロコンに、十数人の会社がなぜ協賛するのか ── 学生とエンジニアが同じ土俵に立つ理由

[アイキャッチ画像挿入箇所: 学生とエンジニアが橋を架けるように協力し合う様子を象徴する抽象イラスト]

株式会社K.Platinum 清水洋太


毎年10月が近づくと、全国の高専生が数か月かけて作り上げたシステムを持ち寄る「高専プロコン」のニュースが流れてきます。弊社は数年前からこの大会に協賛し、あわせて高専採用やインターンの受け入れにも力を入れてきました。社員十数名、しかもお客様先の案件で手一杯なはずの小さな会社が、なぜわざわざ学生の挑戦にまで関わり続けるのか。今日はその理由と、現場に足を運んだからこそ見えてきた景色についてお話しします。

「猫の手も借りたい」時期に、なぜ学生の相手をするのか

正直に言うと、協賛やインターン受け入れの話が出るたびに、社内では「今そのリソースある?」という声が上がります。弊社の本業は、お客様のビジネス課題に提案の段階から入り、業務整理・システム開発・リリースまでを一気通貫で支援するITコンサルティングです。案件は外資系金融から製造業まで幅広く、一件一件が長丁場になりやすいため、現場に張り付くメンバーの手が足りない時期は珍しくありません。

それでも続けているのは、業界の裾野が広がらなければ、いずれ自分たちの仕事も先細りするという単純な理由からです。エンジニアの数はまだまだ足りていませんし、現場を知る人間が学生のうちから技術に触れる場に関わることには、目先の採用よりもずっと長い意味があると考えています。実際に高専へ足を運んだメンバーからは、「教科書で習った範囲の外側で手が止まっている学生が多く、そこを一緒に考える時間が一番喜ばれた」という報告が返ってきました。準備も移動も手弁当に近い活動ですが、続ける理由はそこにあります。予算をかけて採用広告を出すより、こうした地道な接点の方が、結果的に自社に合う人と出会える実感もあります。

会社としても、こうした活動を特別な誰かの仕事にはしていません。案件のスケジュールに余裕のあるメンバーが手を挙げ、行きたい人が行く。強制されているわけではないのに、毎年一定数の希望者が出てくるのは、社内の空気として「外に出て刺激を受けてくる」ことが歓迎されているからだと思います。

プロコン会場で見た、教科書にない設計判断

プロコン会場を見学すると、学生たちのアイデアの筋の良さに驚かされます。地域の課題を解決するアプリ、防災情報を整理する仕組み、方言を認識する音声ツールなど、着眼点だけを見れば、現場のコンサルティングで出会う企画と大差ありません。違うのは、要件が固まりきらないまま手を動かし始め、動かしてみてから設計をやり直す場面が多いことです。時間の限られた大会だからこその割り切りでもありますが、見ていて既視感を覚えるやり取りも少なくありません。

弊社では提案から開発まで自社で完結させる都合上、ChatGPTで要件を整理し、Claude Codeで実装し、Copilotでレビューするという三段階の生成AI活用フローを日常的に使っています。従来の書き方に比べて5〜20倍の生産性が出るという実感を持つメンバーも多いのですが、この仕組みを学生に説明しようとすると、なぜ最初にこの設計にしなかったのかを自分の言葉で言い直す必要が出てきます。同行したメンバーの一人は、「学生の質問に答えているうちに、普段は感覚でやっている判断を初めて言語化できた」と話していました。教えに行ったつもりが、教わって帰ってくる。これもこの活動を続けている理由のひとつです。

質問の内容も、想像より踏み込んだものが多いといいます。「どこまで作り込んでから動かすべきか」「チームで役割をどう分けたか」といった、コードそのものより進め方に関する質問が目立つそうです。現場のプロジェクトマネジメントに近い悩みを、大会という限られた時間の中で学生たちがすでに抱えている。その様子を見ると、数年後にはこの中の誰かと一緒に仕事をするかもしれない、という想像も自然に膨らみます。

[写真挿入箇所: プロコン会場やワークショップで学生とエンジニアが議論する様子を象徴する抽象イラスト]

インターンの最初の1週間に、あえて「答え」を渡さない

高専生や新卒でインターンに来たメンバーの最初の1週間は、コードを書かせません。既存のシステムを読み、なぜこの設計になっているのかを自分の言葉で説明してもらう、それだけです。答えを渡すほうが早いのは分かっていますが、動いているものを読み解く力は現場に出てから一番差がつく部分だと考えているので、あえて遠回りをしてもらいます。

これは弊社の研修全体に共通する考え方でもあります。入社時研修やOJTは、先輩が横につきっきりで教えるというより、疑問が出たときにすぐ相談できる距離感を保つスタイルです。オンラインの勉強会やLT会も定期的に開いていて、経験の浅いメンバーが発表する回も珍しくありません。平均年齢27.5歳という若い組織だからこそ、教える側と教わる側の距離が近く、インターン生から見ても「質問しやすい先輩ばかりだった」という感想をもらうことが多いです。フルリモートが基本の環境でも、この距離感だけは意識してつくってきました。実際、インターン明けにそのまま選考に進んでくれる学生も毎年出ています。

もうひとつ意識しているのは、インターン生に「見せる仕事」だけを渡さないことです。お客様との打ち合わせの議事録整理や、開発の合間に発生する細かな調整ごとも、可能な範囲でそのまま体験してもらいます。華やかな部分だけを切り取って見せると、入社後にギャップが生まれやすいからです。地味な工程も含めて見てもらった上で、それでも面白そうだと思ってもらえるかどうかを、こちらも試されている気がしています。

地域と若手をつなぐ活動は、採用にも跳ね返ってくる

2026年度も高専採用には積極的に取り組んでいます。理由は単純で、プロコンやインターンで出会った学生の中に、実際に選考へ進んでくれる人が一定数いるからです。応募から最短1週間で結論が出るスピード感の選考も、こうした事前の接点があってこそ成り立っている面があります。突然応募してきた人だけでなく、大会や説明会で顔を合わせたことのある人の方が、お互いに入社後のイメージを持ちやすいのも実感としてあります。

弊社が支援する案件は、製造業や流通業の業務効率化から外資系大手金融の基盤構築まで幅広く、若手が最初に触れる技術領域も自然と広がっていきます。ひとつの案件が終われば、次はまったく違う業界・違うクラウド環境の案件が待っていることも珍しくなく、数年でエンジニアとしての経験の幅がかなり変わります。地域の学生に技術の面白さを伝える活動は、遠回りに見えて、数年後に自社の現場を支える人材への投資でもあると捉えています。

こうした活動は、採用媒体には載らない形で会社の雰囲気を伝える機会にもなっています。説明会の資料だけでは伝わりにくい「現場のエンジニアが実際にどう考えて動いているか」を、プロコンやインターンの場では時間をかけて見てもらえます。応募前にその空気を感じてもらえることが、結果として入社後のミスマッチを減らすことにもつながっていると感じています。プロコンやインターンをきっかけに弊社を知った、という方はもちろん、そうでない方も歓迎です。興味を持った方は、エンジニア募集中!詳しい選考の進み方を見るからご確認ください。

まとめ

学生の挑戦に関わることは、正直すぐに数字になる活動ではありません。それでも、教える側のはずの自分たちが一番学ばせてもらっているという感覚は、社内でも共有されています。技術の裾野を広げる場に関わりながら、自分自身も現場で鍛えられ続けたいという方は、ぜひ一度弊社の話を聞きに来てください。プロコン会場やインターンの現場で見てきた景色を、次はあなたと一緒に眺められたらと思っています。


清水洋太(しみず・ようた)
株式会社K.Platinum所属。エンジニアが力を発揮できる環境づくりを大切にしている。


K.Platinumでは一緒に働くエンジニアを募集しています。「実力で正当に評価される環境」に興味がある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。

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