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2026年9月15日

社員十数名の会社が、高専プロコンに協賛しスクールを3つ運営している理由 ── K.Platinumが「次の世代」に時間を使うわけ

光る線でつながった別々の机で、2人がノートパソコンを操作している。2人の間には小さな植物があり、その上には抽象的なデジタル要素が描かれている。.

株式会社K.Platinum 清水洋太


社員十数名の会社が、高等専門学校のプログラミングコンテストに協賛し、インターンを受け入れ、プログラミングスクールを3つ運営しています。しかも、講師を務めるのは社員です。つまり弊社は、案件に使えるはずの時間を、決して少なくない量、社外に向けて使っていることになります。

「その規模で、なぜそこまでやるんですか」。同業の方からも、面接に来てくださった方からも、ほぼ必ず聞かれます。

答えは「社会貢献のため」ではありません。この記事では、弊社がそこに時間を使う事業上の理由と、教える側に回った社員の仕事が実際にどう変わったのかを、社内から見た景色でお話しします。

ITコンサルの会社なのに、事業の柱のひとつが「育てる」仕事です

弊社のメイン事業はITコンサルティングです。お客様のビジネス課題に提案段階から入り、課題の整理から改善、システム開発、リリースまでを一気通貫で担当します。設立から2年で20以上の開発プロジェクトに関わってきました。ここだけ聞けば、教育とはあまり関係のない会社に見えると思います。

ところが、実際の事業構成を並べてみると「育てる」に関わる部分がかなりの割合を占めています。

プログラミングスクールは、キャリアコーディネート型の「Ktech」、未経験から実践型フリーランスを目指す「Kフリー」、未経験エンジニアの育成と転職サポートを行う「GutsBootcamp」の3つ。講師を務めるのは、大手企業の現役エンジニアや元エンジニアです。教材やカリキュラムも、現場で実際に必要になる順番で組み立てています。

社外に目を向けると、高等専門学校のプログラミングコンテストへの協賛、高専採用への取り組み、インターンの受け入れ、ポートフォリオ制作の支援があります。このブログ「PLATINUMLOG」も、社内の様子を外に出していく取り組みのひとつです。

インターンで来てくれた方には、資料づくりの手伝いのような周辺業務だけでなく、実際に動くものをつくる工程に関わってもらいます。設計の意図を聞き、手を動かし、レビューを受ける。この一往復を経験するかどうかで、その後の学び方が大きく変わるからです。

十数名の会社にとって、これは決して軽い負担ではありません。社員が講師や指導に使う時間は、そのまま案件に使える時間から差し引かれます。それでも続けているのは、はっきりした理由があるからです。

なぜ、案件に使えるはずの時間を削ってまで応援するのか

弊社が掲げているパーパスは「エンジニアを幸せにする」で、ミッションは「エンジニアの能力を可視化する仕組みをつくる」です。そしてビジョンは「稼げるエンジニアを量産する」。

言葉だけ並べると大げさに聞こえるかもしれませんが、背景にあるのはとてもシンプルな課題意識です。エンジニアの実力は、外からとても見えにくい。だから正当に評価されにくく、正当に評価されないから、力のある人が報われないまま業界を離れてしまう。

この構造を変えるには、入口を広げることと、実力が見える形になることの両方が必要です。スクールも、インターンも、コンテストの応援も、その入口づくりの一部だと考えています。

もうひとつ、事業上の理由もあります。提案から開発、リリースまでを一気通貫で担当する仕事では、「知っていることをやる」だけでは足りません。業務を整理し、改善策を考え、システムに落とし込み、必要ならAIの活用まで踏み込む。担当する範囲が広い分、学び続けられる人でなければ立ち行かないのです。

コンテストに挑戦する学生の作品を見ていると、こちらが教わることもあります。制約の多い環境で、限られた時間の中で、とにかく動くところまで持っていく。その馬力と割り切りの良さは、仕事に慣れるほど失われがちなものです。応援しているつもりが、毎回こちらが刺激を受けて帰ってきます。

学ぶ人を増やすことと、学び続ける会社であることは、私たちの中では地続きになっています。

図版

「教える側」に回った人から、提案書の書き方が変わっていきます

社内で一番おもしろいと感じているのは、教える側に回った人の変化です。

自分では理解しているつもりだったことが、人に説明しようとした瞬間に説明できなくなる。この経験をすると、そこから理解の仕方が変わります。曖昧なまま通り過ぎていた部分に気づき、調べ直し、自分の言葉に置き換える。この作業は、そのまま実務の質に返ってきます。

ある社内の勉強会で、自分の担当領域を説明していたメンバーが、聞き手からの「それは、なぜその順番なんですか」という一言で止まってしまったことがありました。手順は完璧に覚えていたけれど、理由は考えたことがなかったのです。その日から彼は、作業の前に「なぜこの順番か」を確認するようになりました。教える場がなければ、気づかないままだったはずです。

特に効いてくるのが、提案書づくりと要件定義です。お客様は技術の言葉では話しません。「この作業に時間がかかっていて困っている」という日常の言葉を、実現できる形に翻訳するのが私たちの仕事です。相手がどこで分からなくなるのかを想像できる人は、この翻訳が上手くなります。教える経験は、その想像力を鍛えてくれます。

弊社では、講師やメンターの役割に若手が手を挙げることができます。社員の平均年齢は27.5歳で、20代でリーダーを務めているメンバーも複数います。年次で順番待ちをする文化はありません。社内でもオンラインの勉強会やLT会を定期的に開いていて、「教える側に立つ」練習の場は日常の中にあります。

技術力を伸ばしたいと思ったとき、コードを書く時間を増やすのは当然の選択です。そこに「誰かに説明する時間」を足すと、伸び方が変わります。

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学生の「フルリモートで本当に回るんですか」に、毎回考えさせられます

外の人と接する機会には、もうひとつ効能があります。自分たちの当たり前を、点検できることです。

学生の方から「フルリモートで、本当に仕事が回るんですか」と聞かれることがあります。弊社は原則リモートワークで、コアタイムのないフルフレックス制、完全週休2日制で年間休日は123日、副業も可能です。制度として並べれば数行ですが、実際に回すためには、質問しやすい空気や、非同期でも伝わる書き方といった地味な工夫が必要でした。聞かれるたびに、そこを言葉にし直しています。

開発の進め方についても同じです。弊社では生成AIを前提にした開発プロセスを組んでいて、設計資料の作成、コード生成、コードレビューをそれぞれ役割の違うツールで回しています。数年前の常識をそのまま持っていては、学生の質問に答えられません。

「学生のうちに何をやっておけばいいですか」と聞かれたときの答えも、少しずつ変わってきました。以前なら特定の言語や資格を挙げていたところを、今は「小さくてもいいので、最後まで自分でつくり切った経験を残しておいてください」と伝えています。つくり切る過程では、必ず面倒な部分にぶつかります。そこをどう乗り越えたかが、その人の実力を一番よく表すからです。

「未経験歓迎」と掲げるなら、受け入れる側にも準備が要ります。入社時研修、業務研修、ビジネススキル研修を用意し、OJTで支える体制を整えているのは、そのためです。

まとめ

社員十数名の会社が次の世代に時間を使うのは、遠回りに見えて、実は一番近い道だと考えているからです。

エンジニアの実力が正しく見えるようになれば、報われる人が増えます。報われる人が増えれば、この仕事を選ぶ人が増えます。その循環をつくることが、私たちが事業でやろうとしていることと、社外での活動でやろうとしていることの共通点です。

そして社内から見れば、教える機会があるということは、自分の理解を鍛える機会があるということでもあります。手を挙げれば、講師にもメンターにもなれます。学ぶ側と教える側を行き来しながら伸びていける環境は、思っている以上に貴重だと感じています。

実力で正当に評価される環境で、自分の力を試してみたい方。誰かに教えることを通じて、自分の技術をもう一段深くしたい方。ぜひ一度、お話ししましょう。


清水洋太(しみず・ようた)
株式会社K.Platinum所属。エンジニアが力を発揮できる環境づくりを大切にしている。


K.Platinumでは一緒に働くエンジニアを募集しています。「実力で正当に評価される環境」に興味がある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。

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