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2026年7月13日

入れたAIを「続けるか、やめるか」を、はじめて数字で決めた — 平均ROI171%の裏で6割が効果を出せない2026、17人ITコンサルがAIエージェントを"経営の物差し"で測った話

あるビジネスマンが夜、オフィスに立ち、大型デジタルスクリーンに映し出されたAI投資の統計データを確認している。画面の下部には、AIプロジェクトを継続するか中止するかという選択肢が強調表示されている。.

こんにちは。K.Platinum代表の沼田海斗です。

僕は24歳でこの会社を立ち上げて、今は3期目・27歳。社員は17人で、製造業・流通・金融の中堅企業を相手に、ITコンサル+受託開発+ジゴカツ(プログラミングスクール)の3本柱でやっています。

今日は、AI導入の「その後」の話を書きます。2026年は、AIエージェントを「入れる」会社がぐっと増えました。でも、入れたあとに誰も答えられていない問いがあります。「で、それ、効いてるの?」。今日はこの、いちばん地味で、いちばん答えにくい問いに、正面から向き合います。


1. 「AIを入れた」の次に来る、いちばん答えにくい問い

去年まで、経営会議の話題は「AIを入れるか、入れないか」でした。2026年、それはもう決着がついています。ほとんどの会社が、何かしらのAIを入れた。問屋の在庫問い合わせも、社内のFAQも、AIエージェントが返すようになった。

問題は次です。半年経って、社長がふと聞く。「あのAI、結局どうなった?」。ここで、多くの現場が黙ります。なんとなく便利になった気はする。でも、いくら得したのかは、誰も答えられない

これ、笑い事じゃないんです。AIエージェントは、入れて終わりじゃない。使い続ける限り、API利用料も、運用の手間も、ずっとかかり続ける。効いていないものにお金を払い続けるのは、静かに損をしているということです。

「入れるか」の意思決定はみんな真剣にやる。なのに「続けるか、やめるか」の意思決定は、なぜか誰もやらない。ここが、2026年のAI活用でいちばん抜けている穴だと、僕は思っています。


2. なぜROIが二極化するのか — 効かない会社の3つの共通点

面白いデータがあります。Google Cloudの調査では、AIエージェントの平均ROIは171%(米国では192%)。すでに半数を超える企業(52%)がAIエージェントを実運用に乗せている、という数字も出ています。数字だけ見れば、AIは十分に元を取っている。

なぜROIが二極化するのか

ところが、同じ2026年に、BCGは「6割の企業がAIから価値を出せていない」とも言っています。片方で171%、片方で6割が空振り。当たりと外れが、はっきり二極化しているんです。

じゃあ、外している会社には何が共通しているのか。僕が現場で見てきた限り、3つあります。

ひとつ目、そもそも測っていない。導入前に「今この業務に何時間かかっているか」を取っていない。だから、後で「減ったかどうか」を比べようがない。感覚で「楽になった」と言うだけ。

ふたつ目、業務を絞れていない。あれもこれもAIにやらせようとして、どれも中途半端。効果が薄く広がって、数字に出ない。

みっつ目、運用の人件費を計算に入れていない。AIの利用料だけ見て「安い」と言うけど、実際はプロンプトを直したり、例外を人が拾ったりする手間がかかっている。その人件費を足すと、意外と得していない。

この3つを外すと、AIは「なんとなく入れて、なんとなく残っている」置物になります。


3. 経営の物差しを先に決める — 削減時間・粗利寄与・撤退ライン

じゃあ、当てている会社は何が違うのか。答えはシンプルで、測る物差しを、導入する前に決めているんです。

経営の3つの物差し

僕らがお客さんと最初に握るのは、この3つの物差しです。

① 削減時間。その業務に、今、月に何時間かかっているか。件数×1件あたりの処理時間×人数。地味ですが、導入前にこれを取っておかないと、後で効果を語れません。導入後に同じ物差しで測り、「導入前○時間 → 導入後○時間」を並べる。これで初めて、削減が事実になります。

② 粗利への寄与。浮いた時間が、ちゃんと利益につながっているか。時間が浮いても、その人が空いた時間で何もしていなければ、会社の粗利は1円も増えていない。浮いた時間を、受注できる仕事や、売上を生む活動に振り替えられているか。ここまで見て初めて「効いた」と言えます。

③ 撤退ライン。これがいちばん大事で、いちばん忘れられている物差しです。「ここまでの数字が出なかったら、やめる」という線を、導入前に決めておく。やめる勇気を、あらかじめ数値にしておく。これがないと、効いていないAIを「もったいないから」と惰性で使い続けてしまう。

3つ目を入れているかどうかで、会社の意思決定の質がまるで変わります。入れる基準だけじゃなく、やめる基準も先に決める。これがAI時代の経営の物差しです。


4. 17人ITコンサルが顧客と握る測り方

僕らが中堅企業のAI導入を支援するとき、最初のミーティングでやることは、AIの話じゃありません。KPIと撤退条件の合意です。

順番はこうです。まず、対象業務の「導入前の数字」を一緒に測る。次に、「何ヶ月後に、どの数字が、どこまで動いたら成功か」を合意する。同時に、「逆にどこまで動かなかったら撤退か」も合意する。ここまでを、導入のスイッチを入れる前にやります。

そして導入後は、月次で「継続・改善・撤退」の3択を判定する。うまくいっていれば継続。惜しければ、業務の絞り方やプロンプトを改善してもう1ヶ月。基準に届かなければ、潔く撤退。この判定を、感覚じゃなく、最初に決めた物差しでやる。

これをやると、お客さんの社内で不思議なことが起きます。AIの是非をめぐる社内の揉め事が、減るんです。「効いてる気がする」「いや効いてない」の水掛け論が、数字の前で終わる。撤退も、感情じゃなく数字で決まるから、誰も傷つかない。物差しは、技術の道具である前に、社内の合意をつくる道具なんです。


5. 測れる導入だけが、次の投資に繋がる

最後に、いちばん伝えたいことを。

AIの投資は、1回で終わりません。1つ目がうまくいけば、2つ目、3つ目と業務を広げていく。そのとき、次の投資のGOを出せるかどうかは、1つ目を数字で語れるかにかかっています

「1つ目のAIで、月○時間が浮いて、それを○○の売上活動に回せた」。こう言える会社は、次の投資の稟議が通る。逆に「なんか便利でした」しか言えない会社は、2つ目でお金が出ない。測れる導入だけが、次に繋がるんです。

2026年、AIを入れること自体は、もう差別化になりません。差がつくのは、入れたAIを、経営の物差しで測り、続けるか・やめるかを数字で決められるかどうか。熱が冷めたあとに残るのは、たぶんROIの一行だけです。その一行を、ちゃんと書ける会社でありたい。

まとめます。

  • 「入れるか」は決着した。次の問いは「続けるか、やめるか」で、ここが2026年最大の穴
  • ROIは二極化(平均171%の裏で6割が価値を出せない)。効かない会社は「測っていない・絞れていない・人件費を入れていない」
  • 経営の物差しは3つ=削減時間・粗利寄与・撤退ライン。特に「やめる基準」を先に決める
  • 導入前にKPIと撤退条件を合意し、月次で「継続・改善・撤退」を判定する
  • 測れる導入だけが、次の投資のGOに繋がる

採用観点 — 「作る」と「効かせる」の両方がわかる人と働きたい

最後に採用の話を。

AI導入を「効かせる」ところまで持っていける人は、技術だけの人でも、コンサルだけの人でもありません。AIの仕組みがわかりつつ、それを経営の数字に翻訳できる人です。

僕らが採りたいのは、こんな人。

  • AIを「作る・動かす」だけでなく、「効いているか」を数字で語れる人
  • お客さんと一緒に、撤退ラインまで含めたKPIを設計できる人
  • 「もったいない」で惰性を続けず、数字でやめる判断ができる人

AIが当たり前になった世界で、いちばん価値が出るのは、熱ではなく物差しで意思決定できる人です。ここで腕を磨きたい人には、面白い場所だと思います。

会社の構造上、面接は最初から代表の僕が出ます。AIの効果をどう経営で測るか、そういう話を一緒にできる人と会いたいです。


沼田海斗(ぬまた・かいと)
株式会社K.Platinum代表。24歳で同社を創業し、現在3期目。ITコンサル・受託開発・プログラミングスクールの3事業を率いる。中堅企業のAI導入を「経営の数字」で測る支援に、自ら足を運んでいる。


K.Platinumでは一緒に働くエンジニアを募集しています。「実力で正当に評価される環境」に興味がある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。ご質問・カジュアル面談のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

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