株式会社K.Platinum 清水洋太
「フルリモートって、結局ひとりで悩む時間が長いんじゃないですか?」
採用面談で、いちばんよくいただく質問のひとつです。たしかに、オフィスにいれば隣の席の先輩にふと聞けたことが、リモートだと途端に難しく感じる——そう心配される方は少なくありません。ところが、弊社で働くエンジニアに同じことを聞くと、たいてい逆の答えが返ってきます。「むしろ、聞ける相手が増えました」と。
今日は、K.Platinumがフルリモートでも学び合いを止めないために続けている、勉強会やLT会、そして学びを"外にも開く"取り組みについてお話しします。読み終える頃には、「ここでなら伸びられそうだ」と感じてもらえたらうれしいです。
だれかの"つまずき"が、いちばんの教材になる
弊社では、オンラインの勉強会とLT会(ライトニングトーク=数分の短い発表会)を定期的に開いています。堅苦しい研修というより、「最近ハマったこと」を持ち寄る雑談に近い時間です。
たとえば、ある案件で認証まわりの設計に半日つまずいたメンバーが、その顛末をそのまま共有してくれる。すると別のメンバーが「うちの案件でも似た沼があった」と別解を出し、気づけば一つの失敗が全員の引き出しになっています。うまくいった話より、つまずいた話のほうが学びが濃い——これは弊社の勉強会でよく起きることです。
最近いちばん盛り上がるのは、生成AIの使いこなしをめぐる知見の共有です。弊社では、ChatGPTで設計メモを整え、Claude Codeでコードを書かせ、Copilotでレビューする、という三段階のワークフローを日常的に使っています。従来と比べて数倍から、うまくハマれば十数倍のスピードで開発が進むこともありますが、その"ハマるコツ"は人によって少しずつ違う。だからこそ、「このプロンプトの投げ方が効いた」「ここはAIに任せず自分で書いたほうが速い」といった生々しいノウハウを、みんなで持ち寄る意味があるのです。
扱うテーマは、決してAIや最新技術ばかりではありません。「クラウドの請求書を読み解いてコストを削った話」「レビューで指摘されて初めて腹落ちした設計原則」「タスクの分解がうまくいかず抱えすぎた反省」——業務のど真ん中の話もあれば、少し手前の基礎の話もあります。発表のハードルはあえて低く保っていて、五分で終わる小ネタでも大歓迎。うまくまとめようと気負うより、「今週いちばん頭を使ったこと」を素直に共有してもらうほうが、聞く側にとっても学びが多いからです。人前で話すのが苦手だったメンバーが、回を重ねるうちに自然と登壇の常連になっていく——そんな変化も、この場ならではの副産物だと思っています。
"わからない"を、その日のうちに消化する
勉強会が「週に一度の学び」だとすれば、日々の学び合いを支えているのはOJTと、気軽に声をかけ合える空気です。
弊社は完全オンラインで働きますが、その分チャットは活発です。手が止まったら、まずは投げてみる。数分後には誰かが反応して、画面共有をつないで一緒に考える——そんな光景が毎日あります。「こんな初歩的なことを聞いていいのかな」とためらう時間こそがいちばんもったいない、と私たちは考えています。わからないことを早く出せる人ほど、結果的に速く伸びていきます。
これは、平均年齢が27.5歳という若いチームだからこその強みでもあります。20代のうちからリーダーとして案件を引っ張るメンバーも多く、教える側と教わる側の距離が近い。数年前に同じところでつまずいた先輩が、まさに手を動かしながら伴走してくれるので、悩みが具体的なうちに解けていきます。未経験に近いところから入ったメンバーも珍しくなく、資格取得の支援や研修の仕組みもあわせて、「入ってから伸びる」を本気で支える体制を整えています。
一つ、印象に残っている場面があります。入社して間もないメンバーが、初めて任された機能の設計でどう手をつけていいか分からず、丸一日ドキュメントとにらめっこして固まってしまったことがありました。見かねた先輩が「一回、声だけつなごう」と誘って、三十分ほど一緒に要件を紙に書き出しただけで、本人の表情がすっと軽くなったのを覚えています。難しかったのは技術ではなく、「どこから聞けばいいか分からない」という最初の一歩だった。あの日を境に、その人は誰よりも早く質問を投げるようになりました。学びの速さは、頭の良さより「聞ける空気」で決まる——私たちがそう考える理由は、こういう小さな出来事の積み重ねにあります。

学びを、会社の中だけに閉じない
弊社の学び合いは、社内で完結させたくない、という思いがあります。エンジニアという仕事の面白さを、これからその世界に入っていく人たちにも手渡していきたいからです。
その一つが、高等専門学校(高専)のプログラミングコンテスト、いわゆる高専プロコンへの協賛です。若い作り手が本気で技術を競う場を応援することは、弊社にとって単なる社会貢献にとどまりません。次世代のエンジニアがどんな発想でものづくりに挑んでいるかに触れることは、私たち自身の刺激にもなります。あわせて、高専出身の方の採用にも積極的に取り組んでいて、早くから実践に飛び込みたい若い才能を歓迎しています。
インターンの受け入れも、同じ延長線上にあります。学生のうちから現場のプロジェクトに触れ、現役エンジニアの隣で手を動かす。教える私たちの側も、「当たり前だと思っていたことを言葉にする」よい訓練になります。学びは、渡す側にも返ってくる——それを日々実感しています。
以前、あるインターンの方から「なぜこの処理はこう書くんですか?」と、ごく素朴に尋ねられたことがありました。長く現場にいると"作法"として流してしまう部分でしたが、いざ説明しようとすると、自分でも理由をきちんと言語化できていなかったことに気づかされました。次世代に手を渡すつもりが、こちらが基礎を問い直させてもらう。外に開くことは、めぐりめぐって社内の学びをいっそう深くしてくれます。だからこそ弊社は、社外との接点を「余力があれば」ではなく、続ける価値のある投資だと考えています。
——こんなふうに教え合うチームを、中から体験してみませんか。K.Platinumでは一緒に伸びていけるエンジニアを募集しています。まずはカジュアルにお話しするだけでも大歓迎です(エンジニア募集の詳細はこちら)。
実力主義なのに、なぜ教え合えるのか
ここまで読んで、「実力で評価される会社なら、ノウハウは隠したほうが得なのでは?」と思われたかもしれません。正直な疑問だと思います。
弊社が大切にしているのは、「エンジニアを幸せにする」という一貫した思いです。そしてそのために掲げているのが、「エンジニアの能力を可視化する仕組みをつくる」というミッション。誰が何をできて、どんな貢献をしたのかが、きちんと見える形で残っていく——これは、教え合う文化を支える大事な前提です。
一人ひとりの力が正しく見えるからこそ、誰かを助けることが自分の評価を下げる、という発想になりません。むしろ、周りを引き上げられる人こそチームで頼りにされ、その価値がちゃんと伝わっていく。ノウハウを抱え込んで一人だけ得をする、という消耗戦にならずに済むのです。教え合いは、優しさであると同時に、それぞれが遠くまで行くための合理的な戦略でもある——私たちはそう考えています。
もう一つ、いまの時代だからこその理由があります。生成AIの登場で、技術の前提は驚くほどの速さで書き換わり続けています。昨日の正解が今日には古くなる世界で、一人で情報を追い続けるのには限界があります。設立から2年あまりで売上を大きく伸ばしてきた成長のただ中でも、私たちが学び合う時間を手放さないのは、変化に取り残されない一番の方法が「みんなで学ぶこと」だと知っているからです。
さいごに ── 一緒に、伸びていける人へ
K.Platinumの学び合いは、特別に用意された制度というより、「わからないを出せる」「つまずきを共有できる」「後進に手渡せる」という、日々の小さな習慣の積み重ねでできています。派手ではありませんが、これが弊社でいちばん自慢したい文化かもしれません。
もしあなたが、一人で完璧を目指すより、仲間と教え合いながら遠くまで行きたいタイプなら、弊社はきっと居心地のいい場所になります。フルリモートでも、学ぶ相手には事欠きません。少しでも「話を聞いてみたい」と思っていただけたら、いつでもお待ちしています。
清水洋太(しみず・ようた)
株式会社K.Platinum所属。エンジニアが力を発揮できる環境づくりを大切にしている。
K.Platinumでは一緒に働くエンジニアを募集しています。「実力で正当に評価される環境」に興味がある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。

