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2026年7月13日

候補者が、ChatGPTで"面接対策"まで作ってくる2026 — 模範解答が通用しなくなった日に、17人ITコンサルが面接で見るものを「暗記」から「その場の思考」へ変えた話

ビジネススーツ姿の2人の男性が、ノートパソコン、AIチャットインターフェース、書類が置かれた机を挟んで話し合っている。テキストやグラフィックを通じて、採用やキャリア形成におけるAI技術が紹介されている。.

こんにちは。K.Platinum代表の沼田海斗です。

僕は24歳でこの会社を立ち上げて、今は3期目・27歳。社員は17人で、製造業・流通・金融の中堅企業を相手に、ITコンサル+受託開発+ジゴカツ(プログラミングスクール)の3本柱でやっています。

会社の構造上、採用面接は最初から代表の僕が出ます。もう何百人と会ってきました。今日は、その面接の現場が2026年にガラッと変わった話を書きます。きっかけは、候補者がAIで"面接対策"まで作り込んでくるようになったことです。


1. 全員が"優等生の答え"を持ってくる面接

少し前まで、面接には「準備してきた人」と「してこない人」の差がありました。志望動機を練ってきた人、企業研究をしてきた人は、それだけで少し光って見えた。

2026年、この差が消えました。理由ははっきりしていて、候補者がChatGPTやPerplexityで、企業研究から面接の想定問答、模範解答まで、全部作ってくるからです。

「なぜ弊社を志望したんですか?」と聞くと、驚くほど整った答えが返ってくる。会社の強みも、事業内容も、正確に押さえている。文章として、非の打ち所がない。でも、聞いていて、その人が全然見えてこない

最初は戸惑いました。みんな優等生の答えを持ってくる。準備の差がつかない。じゃあ、面接で何を見ればいいのか。「用意された答え」を上手に言えることは、もう評価軸にならない。この事実を受け入れるところから、僕らの面接の作り替えが始まりました。


2. 暗記された答えが、見えなくするもの

そもそも、面接で本当に知りたいことって何だっけ、と考え直しました。

面接で見るものが変わった

きれいな志望動機が知りたいわけじゃない。僕が知りたいのは、その人と一緒に働いたときに、どう考えて、どう動く人なのかです。具体的には、こんなところ。

考え方の筋道。何かを判断するとき、どういう順番で考えるのか。前提をどう置くのか。

詰まったときの動き。分からない問題にぶつかったとき、固まるのか、手を動かすのか、人に聞くのか。

前提の疑い方。与えられた条件を鵜呑みにするのか、「そもそもこれ、合ってます?」と問い直せるのか。

ここが、その人の"仕事の地力"です。ところが、AIが作った模範解答は、この地力を、きれいに覆い隠してしまう。準備された答えは、考える過程を全部すっ飛ばして、結論だけを差し出してくる。だから、答えが立派であればあるほど、その人の中身が見えなくなる。

面接官として、これは怖いことです。整った答えに納得して採用したら、実際に働き始めたら全然違った、が起きうる。答えの完成度と、地力は、もう相関しない


3. その場でしか出ない反応を引き出す問い

じゃあ、どうするか。答えはシンプルで、その場でしか答えられない問いを投げることです。AIで事前に用意できない質問なら、模範解答は効きません。

僕らが使っている問いの型は、3つあります。

その場の思考を引き出す3つの問い

① 用意できない具体を聞く。「一般的にどうか」ではなく、「あなたが実際にやったこの件で、どこで詰まって、どう抜けたか」を、どこまでも具体的に掘る。AIは一般論は書けても、その人が本当に経験した細部までは書けません。具体を3階層掘ると、経験の有無が一発で分かります。

② 途中で条件を変える。候補者が答えを組み立てたところで、「じゃあ、予算が半分だったら?」「納期が1週間だったら?」と前提を動かす。用意してきた答えが使えなくなった瞬間に、その場で考え直せるかどうかが見える。ここで固まる人と、楽しそうに組み替える人で、はっきり差が出ます。

③ 「なぜそうした」を掘る。やったこと自体ではなく、その判断の理由を聞く。「なぜその技術を選んだのか」「他の選択肢はなかったのか」。理由を自分の言葉で語れる人は、考えて動いている。借り物の答えは、2回「なぜ」を重ねると崩れます。

この3つは、AIで武装した候補者にこそ効きます。準備できない領域に、あえて面接を持っていく。用意された答えの"外側"を見に行くわけです。


4. 17人ITコンサルがやっている面接の作り替え

もう一つ、僕らが最近やっていることがあります。「AIを使ってもいい」という前提で、その使い方を見る面接です。

たとえば、その場で小さなお題を渡して、「AIを使って構いません。どう進めますか」と言う。すると、面白いくらい差が出ます。丸ごとAIに投げて出てきたものをそのまま出す人。AIに何を任せ、どこを自分で判断するかを切り分けられる人。AIの答えを「これ、本当に合ってる?」と疑える人。

2026年の実務は、AIを使うのが当たり前です。だから、「AIを禁止した状態でどれだけできるか」を見ても、実務とズレる。それより、AIを使う前提で、その人がどこに価値を足せるかを見るほうが、入社後の姿に近い。

これは、僕らが普段お客さんに言っていることと、実は同じです。AIが「作る」を肩代わりする時代に、人に残るのは「何を任せ、どこを握るかを設計する力」。面接でも、そこを見る。選考の軸を、実務の軸と地続きにする。ここを合わせておかないと、面接で光った人が、現場で光らない、が起きます。

余談ですが、K.Platinumではこの「AIを使いこなしつつ、自分の頭で考えられる」エンジニアを募集しています。続きを読む前に気になった方は、採用ページものぞいてみてください。


5. 面接で見る軸=求める人物像=育てる方向

最後に、いちばん大事な話を。

面接で何を見るかは、単なる選考テクニックの話じゃありません。「面接で見る軸」は、そのまま「会社が求める人物像」であり、「入社後に伸ばす方向」でもある。この3つは、地続きでなければいけません。

僕らが面接で「その場の思考」を見るのは、入社後もそこを伸ばしてほしいからです。用意された正解を上手に出す人より、前提を疑い、条件が変わっても考え直し、自分の言葉で理由を語れる人。そういう人が、AI時代のITコンサルとして伸びる。だから、面接でもそこを見るし、入社後もそこを育てる。

面接の作り替えは、採用の小手先の話に見えて、実は「うちはどういう人と働きたいのか」を言語化し直す作業なんです。AIが候補者を武装させてくれたおかげで、僕らは「答えの上手さ」に惑わされなくなった。むしろ、本当に見たいものが、くっきりしてきた。そういう意味では、AIに感謝しているくらいです。

まとめます。

  • 候補者がAIで模範解答まで作る時代、「用意された答えの上手さ」は評価軸にならない
  • 本当に見たいのは、考え方の筋道・詰まったときの動き・前提の疑い方=仕事の地力
  • その場でしか答えられない問い(用意できない具体/条件を変える/なぜを掘る)で地力を見る
  • 「AIを使ってよい前提」でその使い方を見る=選考の軸を実務の軸と地続きにする
  • 面接で見る軸=求める人物像=育てる方向。3つを一致させる

採用観点 — 用意された答えより、その場で考える人と働きたい

最後に採用の話を。

ここまで書いてきたことは、そのまま「僕らがどういう人と働きたいか」です。用意された正解を上手に言える人より、その場で一緒に考えられる人

僕らが採りたいのは、こんな人。

  • 分からないことに、固まらず手を動かせる人
  • 与えられた前提を「そもそも合ってる?」と問い直せる人
  • AIを使いこなしつつ、その答えを鵜呑みにせず疑える人

3つ全部が完璧じゃなくて大丈夫。面接では、答えの完成度は見ていません。一緒に考えている時間が面白いかどうか、を見ています。

会社の構造上、面接は最初から代表の僕が出ます。用意してきた答えは、いったん脇に置いて、その場で一緒に考える時間を楽しめる人と会いたいです。


沼田海斗(ぬまた・かいと)
株式会社K.Platinum代表。24歳で創業し、製造業・流通・金融の中堅企業を相手にITコンサル・受託開発・プログラミングスクール「ジゴカツ」を展開。採用面接には今も代表自ら出続けている。


K.Platinumでは一緒に働くエンジニアを募集しています。「実力で正当に評価される環境」に興味がある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。

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