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2026年10月28日

転職希望者の52.8%が、AIの答えだけで「応募しない」を決めていた — 17人の会社が、AIに聞かれる前に公式サイトへ書いておく3つのこと

こんにちは。K.Platinum代表の沼田です。

僕はこれまで、採用ページを「人が読むもの」として作ってきました。求人票を書き、ブログを書き、面談で話す。応募を考えている人が、僕たちの文章を読んで、会社を判断してくれる。そう思っていました。

ところが、最近の調査を読んで、その前提が少し変わりつつあるのかもしれないと感じました。GIGが2026年9月16日に公開した調査によると、中途の転職希望者の52.8%が、「AIの回答をきっかけに応募を見送った経験がある」と答えています。応募するかどうかを決める前に、AIに「この会社ってどう?」と聞く人が、すでにかなりいるようです。

今日は、この調査から読み取れることと、17人の会社が採用の「情報の置き方」をどう考えるべきかを書いてみます。読み終えるころには、明日から自社の採用ページに足せる具体的な3つのことが、手元に残るはずです。

※本記事は2026年10月時点の情報にもとづいています。調査は、直近半年以内に就職・転職活動をした新卒118名・中途118名が対象の民間調査で、サンプル数は小さめです。全体の傾向を断定するものではなく、「こういう動きがあるらしい」という参考として読んでください。


中途の52.8%が、AIの答えをきっかけに「応募しない」を選んでいた

![AIの答えと、実際の会社のズレ][01_ai_gap.png]

まず、調査の数字を整理します。

「AIの回答をきっかけに応募を見送った経験がある」と答えた人は、中途で52.8%、新卒で22.7%でした。新卒より中途のほうが、AIの答えを判断材料にしている割合が高いことになります。

これは、考えてみれば自然な流れだと思います。中途の方は、在職中に時間を作って転職活動をしていることが多く、1社ずつ丁寧に調べる余裕がありません。そこで、「この会社の評判は?」「働き方はどんな感じ?」と、AIに一気に聞いてしまう。数十秒で要約が返ってくるので、応募するかどうかの「足切り」として使いやすいのだと思います。

僕は、この動きを批判したいわけではありません。限られた時間の中で効率よく調べたいという気持ちは、とてもよく分かります。むしろ問題は、そのAIの答えが、実際の会社の姿とどれくらい合っているのか、という点です。


AIの情報と実際が「違った」中途は94.4% — ズレが大きいのは社風と福利厚生

同じ調査で、もうひとつ気になる数字がありました。

AIが出した企業情報と、実際に調べたり入社したりして分かった情報を比べたとき、「何らかの相違があった」と答えた中途の人が94.4%いたのです。20人に19人近くが、どこかしらのズレを感じていたということになります。

相違の内容として挙がっていたのは、社風・雰囲気(中途41.7%)や、福利厚生(中途44.4%)でした。つまり、AIの答えが外れやすかったのは、「その会社の中にいないと分からない部分」だったようです。

ここで、ひとつ気をつけたいことがあります。この調査は、AIの答えが「間違っていた」と言っているわけではありません。AIの情報と実際が「違った」と、答えた本人が感じたという数字です。原因が、AIの誤りなのか、元になった情報が古かったのか、それとも会社側が公開している情報が少なかったのかは、この調査だけでは分かりません。

それでも、僕は次のように考えています。社風や福利厚生のように、会社が自分の言葉で書いていないことは、AIも推測や、第三者の口コミを元に答えるしかありません。そうなると、実際とズレる余地が大きくなるのは自然なことだと思います。


約8割は、最後に公式サイトを確認している

もうひとつ、安心できる数字もありました。公式サイトを確認している人の割合は、新卒で76.3%、中途で78.8%でした。AIで調べても、最後には公式サイトを見に行く人が、約8割いるということです。

この数字を見て、僕は「AIが出す答えを変えることはできなくても、公式サイトに何を書くかは、僕たちが決められる」と思いました。AIに聞いた人が、答えに違和感を持ったとき、確かめに来る場所が、公式サイトなのです。

そして、AIは公式サイトの情報も参考にして答えを作ります。つまり、公式の情報が具体的で分かりやすいほど、AIの答えも実際に近づく可能性があると考えています。(これは調査から断定できることではなく、僕の仮説です。)


17人の会社が、一次情報として先に置いておきたい3つのこと

一次情報を先に置く3つのこと

では、17人の会社として何ができるのか。僕が大切にしたいと考えているのは、次の3つです。

① 働き方を、具体的な場面で書く

「風通しの良い職場です」と書いても、AIにも読む人にも、何も伝わりません。それよりも、「朝のミーティングは15分で、案件ごとに分かれて行います」「分からないことは、チャットで先輩に聞いて、30分以内に返事がもらえることが多いです」といった、場面で書くほうが、社風の輪郭がはっきりします。社風は、形容詞ではなく、日常の動きで伝えるものだと考えています。

② 案件の中身を、守秘義務の範囲で出す

ITコンサルの会社は、案件の話をしにくい仕事です。それでも、「どんな業界の、どんな課題に、どんな関わり方をしているか」は、社名を出さなくても書けます。AIが答えるとき、案件の具体性は「何をやっている会社か」を判断する大切な材料になります。ここが空白だと、AIは一般論で埋めてしまいます。

③ 「人」の経歴や考え方を、本人の言葉で残す

僕自身の経歴や、メンバーがなぜこの会社で働いているのかを、本人の言葉で書いておく。これは、AIにとっても、読む人にとっても、「この会社にどんな人がいるのか」を知る一番確かな手がかりになります。僕たちがブログを続けているのは、そのためでもあります。

K.Platinumの働き方を、具体的に知りたい方へ。 朝のミーティングの進め方や案件への関わり方など、現場の様子をエンジニア募集ページにまとめています。エンジニア募集中!詳しい条件を見る


自社のことを、AIに聞いてみる

最後に、ひとつだけ提案させてください。

もし採用に関わっているなら、一度、自分の会社の名前をAIに入れて、「この会社ってどんな会社?」「働き方はどう?」と聞いてみてください。そして、出てきた答えと、実際の自分たちを見比べてみる。

僕も、自分の会社について、AIがどう答えるのかを、定期的に確認する習慣にしたいと思っています。もしズレがあれば、それは「僕たちがまだ書いていないこと」のサインです。AIの答えを直すのではなく、公式の情報を足していく。それが、いちばん確実な方法だと思います。

もちろん、AIの答えを完全にコントロールすることはできません。それに、AIを使って調べること自体は、悪いことではありません。大切なのは、AIが答えるときの「元の情報」を、僕たちがどれだけ用意できているかだと考えています。


この調査の数字を読むときに、気をつけたい3点

この調査の数字を読むときには、いくつか注意が必要です。

まず、サンプル数が新卒118名・中途118名と、大きくありません(1つの数字が動くと、比率が約0.8ポイント変わる規模です)。また、対象は「直近半年以内に就職・転職活動をした人」で、民間の調査機関によるものです。全体の傾向を表すデータとして、そのまま受け取るのは避けたほうがいいと思います。

それから、「AIの回答をきっかけに見送った」というのは、本人の自己申告です。実際に、AIの答えが応募の決め手になったのか、他の理由と重なっていたのかは、分かりません。だから僕は、この数字を「半数が、AIで決めている」と断定せず、「中途の半数ほどが、判断材料のひとつにしているようだ」と読むことにしています。


まとめ

転職希望者の52.8%が、AIの回答をきっかけに応募を見送った経験がある。AIの情報と実際に相違があったと感じた人は、94.4%。それでも、約8割の人は、最後に公式サイトを確認している。

この調査から、僕は「採用ページは、人だけでなく、AIにも読まれる時代になった」と受け止めました。そうであれば、僕たちにできるのは、働き方、案件、人。この3つを、具体的な言葉で、公式に書いておくことだと思います。

AIに聞かれる前に、自分たちの言葉を先に置いておく。小さな会社でも、今日から始められる準備だと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


沼田海斗
株式会社K.Platinum代表。エンジニアが実力で正当に評価される環境づくりと、会社の情報を自分たちの言葉で発信し続けることを大切にしている。


K.Platinumでは一緒に働くエンジニアを募集しています。「実力で正当に評価される環境」に興味がある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。


出典: GIG調査(HRzine掲載・2026年9月16日) https://hrzine.jp/news/detail/8137

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