こんにちは。K.Platinum代表の沼田です。
求人票を書き直す。スカウト文面を変える。採用サイトに社員インタビューを足す。採用広報というと、「見てもらうまで」の工夫に力が入りがちです。
でも、見てもらった先で、せっかく「応募しよう」と思ってくれた人が、途中で消えているとしたらどうでしょうか。
今回は、中小企業の採用支援を行う株式会社Shakeが2026年9月30日に公表したデータを紹介しながら、僕が「採用広報より先に、応募のハードルを点検したほうがいい」と考える理由を書きます。
応募を始めた10,525人のうち3,522人が、完了前に離脱していた

Shakeの発表によると、対象期間に応募フォームを開いて入力を始めた人は10,525件。そのうち、応募を完了したのは7,003件でした。
差し引き3,522件。割合にすると約33%が、フォームの途中で離脱していたことになります。
ここで大事なのは、この人たちは「求人を見て、応募しようと決めた人」だということです。興味がなくて閉じた人ではありません。
発表では、離脱の主な要因として、入力項目の多さや、会員登録を求められることが挙げられていました。応募の中心はスマートフォンで、仕事の合間や休憩時間に応募する人が多い、という前提も示されています。
※このデータは、同社の支援先企業の運用実績にもとづくものです。日本の中小企業全体の数字ではありませんが、「応募の途中で消える人がいる」ことの目安にはなると考えています。
採用広報の工夫は、フォームが重いと目減りする
少し整理してみます。
採用の流れを「求人が見られる → 応募を始める → 応募を完了する → 選考に進む」と並べてみると、採用広報が主に効くのは、はじめの2つです。
でも、3つめの「応募を完了する」で3割近くが消えるなら、前の2つにどれだけ工夫を足しても、その分の効果が目減りしてしまいます。
たとえば、スカウトの返信率を上げるために1か月かけて文面を磨いたとします。それで応募を始める人が増えても、フォームが重ければ、増えた人のうちの3割は、また途中で消えるかもしれません。
だから僕は、採用広報の施策を増やす前に、応募の導線を一度、自分で通ってみることが先だと考えています。
17人の会社でもできる、応募フォーム点検の3ステップ
17人の会社でも、応募フォームの点検は難しいことではありません。僕が大事だと思う手順は、次の3つです。

1. 自分のスマホで、最初から最後まで応募してみる。
パソコンではなく、スマホです。通勤電車や休憩時間のつもりで、片手で入力してみます。入力欄が小さくて押し間違える、住所の入力が長い、といった引っかかりは、パソコンでは気づきにくいものです。途中で「面倒だな」と感じた場所が、離脱の起きやすい場所です。
2. 項目をひとつずつ、「選考に本当に必要か」で見直す。
住所の番地まで、最初の応募で必要でしょうか。職務経歴を細かく書かせる欄は、後から面談で聞くのでは遅いでしょうか。応募の時点では最低限にして、残りは次の段階で聞く、という考え方もあります。
3. 会員登録やパスワード設定が必要なら、本当に必要か考える。
求職者から見ると、「応募したいだけなのに、アカウントを作らされる」のは、大きな負担です。外部の求人媒体の仕組み上、避けられない場合もあるので、そのときは、自社サイトから直接応募できる道が別にあるかを確認します。
どれも、お金をかけずに、30分もあれば試せます。必要なのは、「応募する人の立場で、一度やってみる」ことだけです。
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いきなり応募させない。先にカジュアルに話せる入口を作る
もうひとつ、考えていることがあります。
フォームの項目を減らしても、「いきなり応募する」ことのハードルは、まだ残ります。特に、会社のことをまだよく知らない人にとっては、履歴書や職務経歴書をつくること自体が、重い一歩です。
そこで、応募の前に、カジュアルに話せる入口を用意する、という考え方があります。選考ではなく、「話を聞いてみたい」という気持ちに応える面談です。
以前の記事で、求人票に数字を書かないことのコストについて書きました。求人が見られているのに応募がゼロという状態の裏には、「応募するには情報が足りない」という理由があるかもしれない、という話です。
今回の話はその裏返しで、「応募するための手間が多すぎる」というケースです。どちらも、応募する人が感じる「ハードル」を、どう下げるかという同じ問いにつながっています。
なお、僕たちの会社で実際にどのような応募導線にしているかは、また別の機会に、事実を確認したうえでお伝えします。この記事では、考え方と点検の手順にとどめます。
まとめ
Shakeの調査では、応募を始めた10,525人のうち、完了したのは7,003人。約3割が、フォームの途中で離脱していました。主な要因は、入力項目の多さと会員登録の要求だとされています。
採用広報で「見てもらう」工夫をするのは大切です。ただ、その前に、応募を決めた人が最後までたどり着けているかを確かめておきたい。そう僕は考えています。
まずは、自分のスマホで、自社の応募フォームを最初から最後まで通ってみる。それだけで、「ここで手が止まる」という具体的な場所が見えてきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
沼田海斗(ぬまた・かいと)
株式会社K.Platinum代表。エンジニアが力を発揮できる環境づくりと、応募してくれる人に誠実であることを大切にしている。
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出典: 株式会社Shake 2026年9月30日公表(PR TIMES)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000187561.html

