こんにちは。K.Platinum代表の沼田です。
「AIのことは、だいたいわかっている」。そう答える中小企業の経営者は、もう多数派になりました。でも、「実際の業務で使っていますか」と聞かれると、数字は大きく下がります。
2026年9月28日に、フォーバルGDXリサーチ研究所が公表した調査から、この「理解」と「実装」の間にあるものを、ITコンサルティングの現場の目線で読んでみます。
理解は66.5%、実装は36.9%

調査の対象は、中小企業の経営者1,653人(2026年6月実施)です。
AIについて「理解している」と答えた人は66.5%。一方で、AIを実際の業務に導入している人は36.9%でした。差は29.6ポイントあります。
導入を「検討中」と答えた人は20.1%。そして、AIの推進に前向きな意向を示した人は83.2%にのぼっています。
つまり、8割を超える経営者が「必要だ」と感じていて、理解もしている。それでも、約3人に1人しか、実際には動けていません。
※この調査は、コンサルティングや研修を提供する企業が実施したものです。回答者の層や設問の設計に、一定の特徴がある可能性があります。僕はこの数字を「こういう傾向が示されている」くらいの目安として読んでいます。
止めているのは、AIそのものではない
導入が進まない理由として、上位に挙がったのは次の3つです。

- 専門知識やノウハウが足りない:53.7%
- どの業務で活用できるのかが不明確:47.9%
- 導入のプロセスが不透明:47.3%
並べてみると、気づくことがあります。この3つは、どれも「AIの性能が足りない」という話ではありません。
「誰がやればいいかわからない」「どこに使えばいいかわからない」「何から始めればいいかわからない」。つまり、AIの手前にある、進め方の問題です。
ITコンサルとして現場に入っていると、この感覚はよくわかります。ツールの選定で止まる会社は、実はそれほど多くありません。止まるのは、「うちの仕事のどこにAIを当てるのか」が決まらないところです。
理解から実装までの間に、僕たちがやっていること
では、その間をどう埋めるのか。ここからは、僕たちが基本にしている考え方です。案件ごとに中身は変わるので、あくまで一般的な進め方として読んでください。
まず、業務を棚卸しする。
AIに何をさせるか、の前に、今の仕事がどう流れているかを書き出します。誰が、何を見て、何を判断し、どこに記録しているのか。紙とメールとExcelが混ざっている会社は珍しくありません。ここで「毎回同じ判断をしている作業」や「探す時間が長い作業」が見つかります。
次に、小さく試す。
最初から会社全体に入れようとせず、ひとつの業務、ひとつの部署で、数週間試します。うまくいかなくても、「何が足りなかったか」が具体的にわかります。大きな導入計画を立てるより、小さな実績ひとつのほうが、社内を動かす力があります。
そして、社内のデータとつなぐ。
AIが本当に役に立つのは、その会社だけが持っている情報とつながったときです。マニュアル、過去の見積り、問い合わせの履歴。こうした社内の資料をAIが参照できるようにすると、「一般的な答え」から「うちの答え」に変わります。
この3つの順番が大事だと、僕は考えています。ツールの導入は、最後です。
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「ノウハウ不足」は、社内で埋められる
調査で一番多かった「ノウハウ不足」という答えに、少し触れておきます。
ノウハウがない、というと、外から専門家を呼ばなければいけない、と考えがちです。もちろん、そういう場面もあります。
ただ、最初の一歩の「棚卸し」と「小さく試す」は、実は社内の人だけでも始められます。業務を一番知っているのは、現場の人だからです。僕たちのような外部のコンサルがやるのは、そこで出てきた課題を整理して、技術的にどうつなぐかを一緒に考えることが中心です。
AIの知識を完璧にしてから動こうとすると、いつまでも始まりません。理解は66.5%まで来ています。残りの距離は、知識ではなく、最初の一歩の小ささで縮まる、というのが僕の実感です。
まとめ
フォーバルGDXリサーチ研究所の調査では、AIを「理解している」経営者は66.5%、業務に導入しているのは36.9%。導入を妨げる上位3つは、ノウハウ不足(53.7%)、活用業務の不明確さ(47.9%)、導入プロセスの不透明さ(47.3%)でした。
どれも、AIの手前にある、進め方の問題です。
業務の棚卸し、小さな試行、社内データとの接続。この順番で進めれば、理解と実装の間は、少しずつ埋まっていきます。
「AIを使いたいけれど、どこから始めればいいかわからない」。そんなときは、いつでもご相談ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
出典: フォーバルGDXリサーチ研究所 2026年9月28日公表(PR TIMES)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000096.000117855.html
沼田海斗(ぬまた・かいと)
株式会社K.Platinum代表。ITコンサルティングの現場で、中小企業のAI・システム活用の進め方を支援している。
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