こんにちは。K.Platinum代表の沼田です。
求人を出していると、つい毎週のように原稿をいじりたくなります。応募が少ない週があると、タイトルを変えたり、写真を差し替えたり。僕も24歳で会社を作ってから、そういう「触りたくなる気持ち」とずっと付き合ってきました。
先日、株式会社Shakeが2026年9月21日に公開した、求人の応募率を月ごとに分析したデータを読みました。10月が最高で2.48%、12月が最低で1.56%。月によって、これだけ差があるそうです。
今日は、この数字を手がかりに、「いつ原稿を触って、いつ触らないのか」を、17人の会社の目線で考えてみます。
※本記事は2026年10月時点の情報にもとづいています。調査はShake社が支援している中小企業107社の、IndeedとAirワークの運用データを集計したものです。調査主体は採用支援会社で、業種もさまざまです。僕たちのようなITコンサルティング会社にそのまま当てはまるとは限らない点は、先にお伝えしておきます。
求人の応募率は10月2.48%・12月1.56%:月で0.92ポイント動く

まず、数字を整理します。
調査では、求人に対する応募率が最も高かったのが10月の2.48%、最も低かったのが12月の1.56%でした。差は0.92ポイントです。数字だけ見ると小さく感じますが、2.48%と1.56%を比べると、同じ原稿でも10月のほうが約1.6倍(2.48÷1.56)、応募につながりやすいことになります。
つまり、応募が多い月・少ない月は、原稿の出来だけで決まっているわけではなさそうです。調査では、8〜9月のうちに原稿を整えておき、10〜11月に微調整をするのが有効だと紹介されていました。
この「波がある」という話は、僕には納得感がありました。秋は、年内に転職を決めたい人が動き出す時期です。反対に12月は、年末の忙しさもあって、応募まで進む人が減る。求人の良し悪しとは別の、人の動きの波があるのだと思います。
兼務の採用担当が応募の波を追うと、本業が削られる
ここで、僕たちの事情を書きます。
大きな会社なら、採用の専任チームが毎週データを見て、原稿を細かく直していけます。でも、17人の会社では、そうはいきません。採用の担当は、本業のプロジェクトと兼務です(週に数時間しか採用に使えない、という人も珍しくありません)。僕自身も、お客様との打ち合わせと採用の合間で、求人のことを考えています。
そうすると、起きがちなのは、こういうことです。応募が減った週に慌てて原稿を触る。でも、その週の応募の少なさが「波の谷」だったとしたら、触っても触らなくても、結果は大して変わりません。それなのに、原稿をいじった時間は、確実に本業から削られていきます。
もう一つ、困ることがあります。原稿を頻繁に変えると、何が効いたのか分からなくなることです。タイトルも写真も本文も同時に変えてしまうと、応募が増えても減っても、理由が見えない。少人数の会社にとっては、これがいちばんもったいないと感じます。
もちろん、「何もしない」ことが正解だと言いたいわけではありません。応募がない状態が何か月も続くなら、原稿そのものに問題があるのかもしれません。大切なのは、波のせいで少ないのか、原稿のせいで少ないのかを、見分けることだと思います。
そのためには、月ごとの応募の数を、毎月同じ形で記録しておくのが近道です。去年の同じ月と比べれば、「今年の10月は多いのか、少ないのか」が分かります。数字を残しておくだけで、慌てて触る回数は、かなり減らせるはずです。
「原稿を触るより、迎える人を大切にしたい」と思った方へ。K.Platinumではエンジニア募集中です。詳しい募集条件を見る
求人原稿は「夏に整え、秋は触らず、冬は情報を渡す」と決める

そこで僕たちが大切にしたい考え方は、とてもシンプルです。季節ごとに、やることを先に決めておく。
① 夏までに整える
8〜9月は、応募が増える秋の前の準備期間です。仕事内容の説明、一緒に働く人のこと、入社後の流れ。原稿に書くべき情報を、ここで一度きちんと整えます。調査でも、この時期に原稿を整えておく運用が紹介されていました。
② 秋は、触らない
10〜11月は、応募が動く時期です。ここで大きく原稿を変えてしまうと、せっかくの波に水を差してしまいます。調査にあった「微調整」にとどめ、書き換えるのではなく、応募してくれた人への返信の速さや、面談の日程の出しやすさに力を使います。
つまり、秋は「原稿を磨く月」ではなく、「来てくれた人を丁寧に迎える月」と考えています。
③ 冬は、情報を渡す側に回る
12月から2月は、応募率が下がりやすい時期です。ここで焦って原稿を派手にしても、効果は薄いかもしれません。それより、仕事の中身や働き方を、ブログやカジュアルな面談で静かに渡しておく。春に動き出す人が、僕たちを思い出してくれるように、です。
先日書いた、中途採用の課題について考えた記事とも通じる話ですが、応募者が少ない時期ほど、「質を嘆く」のではなく「情報を渡す」ほうに時間を使ったほうが、あとで効いてくると僕は考えています。
原稿を触らず空いた時間は、返信の速さ・日程の選択肢・説明の統一に使う
原稿を触らないと決めると、不思議と時間が空きます。その時間を、僕たちは次の3つに使いたいと考えています。
一つ目は、返信の速さです。応募してくれた人は、同じ時期に何社かに応募しているかもしれません。連絡が早い会社は、それだけで「ちゃんと見てくれている」という印象を持ってもらいやすいと思います。調査が示しているのは応募率までなので、これはあくまで僕の実感ですが、少人数の会社が大きな会社に勝てるとしたら、ここだと感じています。
二つ目は、面談の日程の出しやすさです。平日の夜や、休日の午前など、働いている人が動きやすい時間を、あらかじめ複数用意しておく。原稿の文章を磨くより、日程の選択肢を増やすほうが、応募から面談までの「消える人」を減らせるかもしれません。
三つ目は、社内の説明を揃えることです。面談で誰が話しても、仕事内容や働き方の説明が同じになるように、メンバーで言葉をすり合わせておく。17人だからこそ、全員で同じ話ができます。これは、大きな会社にはなかなか真似できない、小さな会社の強みだと思っています。
応募率データを読むときに気をつけたい3つのこと
最後に、この数字の読み方について、僕が気をつけたいと思っている点を書きます。
一つ目は、調査主体が採用支援会社だということです。サービスの紹介と近い位置にあるデータなので、そのまま鵜呑みにせず、「こういう傾向もあるらしい」くらいの距離感で読むのがよいと思います。
二つ目は、107社の運用データであり、業種や職種が混ざっていることです。ITコンサルの求人が、同じ波を描くかどうかは分かりません。
三つ目は、応募率が高い月が、必ずしも「良い採用ができる月」ではないということです。応募が増えても、会社と合う人が増えるとは限りません。数字は、動き方の目安として使い、最終的には一人ひとりと向き合うことのほうが大切だと思います。
ちなみに、24歳で会社を始めて、3期目の27歳になった今も、僕は「早く結果を出したい」という気持ちが強いほうです。だからこそ、数字が動かない時期に「待つ」と決めることには、勇気がいります。それでも、波があると知っていれば、待つことも一つの仕事だと思えるようになりました。
まとめ
応募率は10月が2.48%、12月が1.56%と、月によって差がありました。この波は、原稿の出来とは別の、人の動きから来ているのかもしれません。
17人の会社は、波を追いかけるために人を割けません。だから僕たちは、夏までに整える、秋は触らない、冬は情報を渡す、と季節ごとにやることを決めておく運用を大切にしたいと考えています。
もし、求人原稿を触りすぎて疲れている方がいたら、「今は触らない月かもしれない」と、一度立ち止まってみてください。
K.Platinumの働き方や、どんな人と一緒に仕事をしているかは、このブログでも少しずつ書いています。気になった方は、ほかの記事ものぞいてみてください。
沼田海斗(ぬまた・かいと)
株式会社K.Platinum代表。24歳で会社を立ち上げ、採用とメンバーの成長に日々向き合っている。
K.Platinumでは一緒に働くエンジニアを募集しています。「実力で正当に評価される環境」に興味がある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。

