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2026年6月5日

Claude Code・Cursor・Devin。3つのAIエージェントを使い分けたら、運用人件費が6割減った話

デジタル・インターフェースと光り輝く要素に囲まれたハイテクルームに、データを表示する照明付きスクリーンを持った3体の人型ロボットが立っている。.

「AIエージェントって、どれを使えばいいですか?」

最近、若手エンジニアからこの質問をされる頻度が爆増している。Twitter(X)でも、勉強会の懇親会でも、面談でも。みんな本気で迷っている。

結論から言う。僕らK.Platinumでは、Claude Code・Cursor・Devin の3つを全部使っている。どれか1つを選ぶ時代はもう終わった。フェーズで使い分けるのが、2026年の正解だ。

そして、3ヶ月の社内実験を経て、ある案件では運用フェーズの人件費が体感で6割減った。今日は「3つをどう棲み分けて使っているか」を、できるだけ現場の生っぽさを残して書く。


2026年、AIエージェントが乱立しすぎている問題

正直に言うと、僕らも2025年の前半までは混乱していた。

ChatGPTがあって、GitHub Copilotがあって、そこにCursorが来て、Devinが来て、Claude Codeが来て、Bolt や v0 が来て…新しいエージェントが2週間に1個くらい出てくる。Twitterのタイムラインを見るたびに「これも試さないと」と焦る。

K.Platinumのエンジニア17人で、毎週のように「先週これ試した」「あれ良かった」みたいな共有が飛び交うようになった。最初は楽しかった。でも、ある時点で気づいた。

全員がバラバラのツールを使っているせいで、ナレッジが分散している。

Aさんは Cursor 派、Bさんは Claude Code 派、Cさんは Devin に丸投げ派。それぞれの最適解は出るんだけど、チームとしての知見が貯まらない。同じ案件で違うAIを使うと、出力品質も微妙に揃わない。

そこで3ヶ月かけて社内で実験した。同じタスクを3つのエージェントに投げて、何がどう違うかを比較する。結果、見えてきたのは「どれが優秀か」ではなく「どこで使うか」が全部だったということ。


図解:3つのエージェントの得意領域マップ

Claude Code — 「相棒型」設計・実装の主力

まず Claude Code(Anthropic製)。

これはCLIベースのエージェントで、ターミナルで claude と打って、対話しながら開発を進める。一見地味だけど、僕らの主力ツールだ。

何が強いか。長文の文脈を抱えながら、複数ファイルを横断して設計と実装を進める作業で、頭ひとつ抜けている。

たとえば「この要件定義書を読んで、SaaSプロダクトのバックエンドを TypeScript + Hono + Cloudflare Workers で設計してくれ。既存スキーマと整合性を取って」みたいな依頼を投げると、まず確認質問を返してくる。「このエンドポイントのレスポンス形式は既存のpattern Aと揃えますか?それともpattern Bですか?」みたいに。

つまりいきなり書き始めない。設計の判断点を洗い出してから書く。これがコードレビューの体験と圧倒的に近くて、僕は「相棒型」と呼んでいる。

うちでは、要件定義から実装の骨格を作るフェーズで Claude Code を使うことが多い。ある製造業向けのAIプラットフォーム案件では、500行近いPRDを Claude Code に読み込ませて、3日でアーキテクチャ設計書とAPI設計書とテーブル定義書を出した。叩き台レベルでも、人間が手で書くと2週間かかる。

弱点もある。CLI操作に慣れていないと、最初の1週間は学習コストが結構ある。あと、ガッツリ並行作業させたい時には少し向かない(後述のDevinの方が向く)。

でも「設計を一緒に詰める」という用途では、現時点でこれを超えるエージェントを僕は知らない。


Cursor — 「拡張IDE型」既存コード改修と読解の主力

次に Cursor。

これはVSCodeフォークのエディタで、エディタ自体がAIエージェント化している。タブ補完、Composer、Agent Mode、Codebase chat など機能は多いけど、要は普段の開発体験のままAIが乗っかっているのが強み。

Claude Code が「相棒型」なら、Cursor は「拡張IDE型」だ。

僕らが Cursor を一番使うのは、既存のコードベースを読み解きながら、地に足の着いた改修をする時。社内ツールの不具合修正、ライブラリのバージョンアップ、UIの小さな変更、ロジックの微修正。地味だけど、エンジニアの仕事の7割はこういう作業だ。

Cursor のCodebase chat に「この関数、どこで呼ばれてる?」と聞けば、関連ファイルを舐めて答えてくれる。Composer で「このコンポーネントを props ベースに書き換えて」と言えば、複数ファイルを一気に書き換えてくれる。タブ補完は、自分が次に書こうとしていたコードを8割くらい先回りで出してくる。

エンジニアの「手の延長」になる感覚が一番強いツール、と言えばいいだろうか。Claude Code みたいに対話を重ねるんじゃなくて、エディタの中で気持ちよくコードを書く感覚のまま、AIに乗っかっていける。

K.Platinumでは新しく入ったメンバーには、まず Cursor から触ってもらう。VSCode と操作感がほぼ一緒だから、心理的ハードルがほぼゼロ。1日触れば「これ無いと書けない」状態になる。

弱点は、長文の設計タスクや、複雑な意思決定が絡むタスクには不向きということ。Cursor は「書く」ことに特化していて、「考える」ことには Claude Code の方が向いている。


Devin — 「自律型」雑務系タスクの丸投げ先

そして Devin(Cognition製)。

これはCursorともClaude Codeとも全然違う。完全自律型で、Slackやウェブからタスクを投げると、本当に勝手にPRを出してくる。

イメージで言うと、Cursor が「常に隣に座っている同僚」、Claude Code が「会話しながら一緒に作業する相棒」、Devin は「タスクを渡して数時間後に結果が返ってくる外部のリモートメンバー」だ。

K.Platinumで Devin が刺さっているユースケースは、はっきりしている。「やりたくないけど誰かがやらないといけないタスク」だ

具体的には:

  • 依存ライブラリのバージョン更新(Renovateの落穂拾い的なやつ)
  • ESLintやTypeScriptのエラー一斉修正
  • テストカバレッジ70%→80%への引き上げ作業
  • ドキュメントのリンク切れ修正
  • セキュリティ脆弱性対応のPR作成

こういう仕事は、エンジニアにとって地味で集中力を奪う。1時間つぶれて、終わった後の達成感がほぼない。でも、やらないと負債が貯まっていく。

これを Devin に丸投げできるようになって、僕らは精神衛生が変わった。「あ、また axios の脆弱性アラート来てる」と思った瞬間に、Slack で @devin このリポジトリの脆弱性対応PRを出して と打つだけで、夕方には PR が来ている。

ただし Devin はまだ完璧じゃない。複雑な業務ロジックの判断が必要な実装は怪しい。だから「判断不要で、手順が決まっている雑務系」に限定して使っている。判断が要る場面は人間 + Cursor / Claude Code に任せる。


ワークフロー:3つのエージェントがプロジェクトをリレーする様子

K.Platinumの実例:1つのプロジェクトでどう使い分けているか

抽象論だけだと伝わりにくいので、実例を1つ。

最近やった、ある製造業向けの社内SaaS案件(架空ベースで再構成)。要件は「現場作業員がスマホで使える、点検報告アプリを作る」。バックエンドは AWS + Lambda + DynamoDB、フロントは Next.js。

僕らはこの案件で、3つのエージェントをこう使い分けた。

設計フェーズ(1〜2週目)— Claude Code
要件定義書とインタビューメモを読ませて、画面設計、データモデル、APIスキーマの叩き台を出させた。設計の判断ポイント(「スマホで撮影した写真をどこに保存するか」「オフライン対応するか」など)は対話で詰めた。1人エンジニアが2週間で出すアウトプットを、3日で出した。

実装フェーズ(3〜8週目)— Cursor
設計が固まったら、メンバー4人で並行実装。各自のローカルで Cursor を立ち上げて、タブ補完と Composer をフル活用してゴリゴリ書く。コードレビューも、Cursor のサジェストに対して人間が判断する形で進めた。

保守フェーズ(9週目以降)— Devin
リリース後、運用に入ったタイミングで Devin を投入。月次のライブラリ更新、ESLintルール追加に伴う一括修正、軽微なバグ修正PRを Devin が自動生成し、人間がレビュー → マージ。運用の人件費が体感で6割減った

ポイントは、「フェーズ × エージェント」のマッピングを最初に決めておくこと。これをチームで合意しておけば、ナレッジも貯まるし、新しいメンバーが入っても迷わない。


ここまで読んで「自分のチームでも試したい」と思った方へ。K.Platinumでは、入社1年目から3つのエージェントを実案件で使い倒せる環境を用意しています。AIに仕事を奪われる側ではなく、AIに仕事を渡せる側に回りたい方は、ぜひ採用ページもご覧ください。


AI時代に生き残るエンジニアの条件

3つのエージェントを使い分けるために必要なのは、エンジニアリングそのものの判断力だ。

「このタスクは設計が要るのか、実装が要るのか、雑務なのか」を見抜く力。「この場面で AI に何を渡し、何を渡さないか」を決める力。これは AI には任せられない。

逆に言うと、AI に渡せるタスクをきれいに切り出せるエンジニアは、これから滅茶苦茶価値が上がる

僕が24歳でK.Platinumを起業して、資本金10万円から3期目で2,000万円までやってきて、AIで仕事を取られたエンジニアは1人もいない。むしろ、AIを使いこなせるエンジニアの市場価値は、半年単位で跳ね上がっている。


最後に

「自分はまだAI時代の波に乗れていない気がする」と感じているエンジニアは、たぶん多いと思う。

でも、これは技術書を100冊読むより、1つのプロジェクトで Claude Code・Cursor・Devin を全部触る方が圧倒的に早い。座学じゃなくて、現場で使う。それが2026年のキャッチアップの最短路だ。

K.Platinumでは、その「全部触る環境」を、入社初日から提供する。一緒に AI 時代を泳ぎ切りたい人を、本気で探している。

ここまで読んでくれてありがとうございました。


沼田海斗(ぬまた・かいと)
1998年生まれ、沖縄高専卒。トヨタ自動車を経てスタートアップITコンサルでコンサルタント。24歳で独立し、2023年にK.Platinumを設立。設立3期目で社員17名、うち高専出身者8名。


K.Platinumでは一緒に働くエンジニアを募集しています。「実力で正当に評価される環境」に興味がある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。

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