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2026年7月23日

「初心者枠」が消えた2026 — 大手テックの新卒採用25%減・エントリー職2019比65%減の裏で、17人ITコンサルが"最初の実務経路"を引き受ける理由

ノートパソコンを持った2人の若者が机に座り、画面に表示されている内容について話し合っている。その横には、「工学」、「AIの基礎」、「クリーンコード」と書かれた本が積み重ねられている。上には日本語のテキストがある。.

こんにちは。ITコンサルティングと受託開発、それにプログラミングスクールをやっている会社の代表、沼田です。17人・フルリモートの小さな会社をやっていて、そのうち8人が高専卒です。

最近、採用のニュースを見ていて、ずっと引っかかっていることがあります。大手が続々と「AIがあるから、新卒は絞る」と言い始めているんです。効率だけ見れば、正しい判断に見えます。でも僕は、これは10年後にじわじわ効いてくる、けっこう危ない話だと思っています。

今日は、AI時代に"若手の入口"が細っているという話と、規模のない中堅がそこにどう賭けるか、という話を書きます。

大手が、若手の"入口"を閉じ始めた

新卒25%減、エントリー職は2019年比65%減

まず、数字を並べます。2026年、テック業界の新卒・エントリー採用は、はっきりと縮んでいます。

大手テックの新卒採用は前年比で約25%減。経験の浅い人が就く"エントリー職"は、2019年と比べて約65%減。初期スタートアップにいたっては約76%減です。さらに象徴的なのが富士通で、2026年度入社から新卒一括採用を廃止し、有償インターンのテーマを約20から400へ一気に広げました。「まとめて新卒を採る」から「インターンで見て、絞って採る」への転換です。

人事の実感も同じ方向を向いています。ある新卒採用の実態調査では、人事担当の約4割が「AI活用で採用人数は今より減る」と答えています。「若手にやらせていた仕事は、AIがやるよね」というわけです。

数字だけ見ると、たしかに合理的です。でも、この流れには見落とされている副作用があります。

本当に失われているのは、"職"ではなく"入口"

ここが今日いちばん言いたいところです。

同じ調査は、面白いことも示しています。「AIで消えるはずだったエンジニア職は、データ上はむしろ残っている」。つまり、エンジニアという仕事そのものが消えているわけではない。消えているのは、"経験を積むための入口"のほうなんです。

考えてみると、当たり前かもしれません。若手が育つのは、たいてい"下処理"からです。先輩が設計した仕様を読んで、簡単な部分を実装して、レビューでボコボコにされて、少しずつ勘所を掴んでいく。この「小さくて地味な最初の仕事」こそが、経験を積む入口でした。

ところが、その下処理をAIが吸っていく。すると、若手が「失敗しながら育つ場」が、まるごと無くなる。大手からすれば、下処理はAIにやらせて、即戦力だけ採ればいい。でも、その即戦力は、どこかで下処理を経験して育った人たちです。みんなが入口を閉じたら、10年後の即戦力は、どこから湧いてくるんでしょうか。

大手が入口を閉じる。これは、実は中堅にとってのチャンスだと僕は思っています。

17人ITコンサルは、"最初の実務経路"を引き受ける

大手が閉じた入口を、中堅が引き受ける

じゃあ、うちみたいな会社はどうするか。結論から言うと、大手が閉じた"入口"を、うちが引き受ける、です。

規模がないことは、育成においてはむしろ武器になります。理由を3つ書きます。

ひとつめは、配属ガチャがないこと。17人しかいないので、入った人がどの現場に触れるかを、僕が直接決められる。「気づいたら何年も同じ雑務だった」が構造的に起きません。上流の打ち合わせにも、現場の実装にも、早い段階から連れていける。最初の実務の"一角"を、いきなり本物で渡せる。

ふたつめは、AIを"奪うもの"でなく"教材"として使えること。大手はAIに下処理を任せて若手を採らない方向に進みますが、うちは逆です。AIに下処理を手伝わせて空いた時間を、若手が上流の判断や、なぜその設計にするのかを考える時間に回す。AIを壁打ち相手にして、「この実装のどこが危ういか」を一緒に詰める。AIは、入口を奪う道具にも、育成を速める道具にもなる。どちらに使うかは、会社の設計次第です。

みっつめは、うちには高専卒8人分の育成知見が溜まっていること。手を動かして本質を掴むのが得意な高専生を、どう現場に馴染ませ、どう伸ばすか。その型が、8人ぶんの試行錯誤として社内にあります。これは、規模が小さくても積み上がる、うちの財産です。

前職のスタートアップITコンサルにいた頃から、僕は「即戦力を奪い合う」よりも「伸びる人を早く現場に触れさせる」ほうが、結局は強いチームになると感じてきました。だから独立して自分の会社を持ったとき、採用では即戦力の取り合いに乗るのをやめました。24歳で起業して、この3期目(27歳)まで、一貫して「伸びしろ×早い実務接触」に賭けています。

もし、この「伸びしろ×早い実務接触」という考え方にピンと来た人がいたら、うちは今まさに一緒に働くエンジニアを探しています。気になる方はエンジニア募集の詳細をのぞいてみてください。

大手が入口を閉じる時代こそ、中堅が入口を担う好機

まとめます。2026年、大手テックは新卒を25%絞り、エントリー職は2019年比で65%も減り、富士通は新卒一括採用そのものを止めました。AIが吸っているのは、エンジニアという"職"ではなく、若手が経験を積む"入口"のほうです。

でも、だからこそ、規模のない中堅にチャンスがあります。みんなが入口を閉じるなら、そこを引き受ける会社に、次の世代が集まる。うちが渡せるのは、配属ガチャのない"最初の実務の一角"と、AIを教材にして育成を速める環境と、高専卒8人ぶんの育成の型です。

採用で狙うのは、完成した即戦力ではありません。伸びしろのある人に、早く本物の実務を触らせる。それが、8人が高専卒の17人ITコンサルなりの、この時代の賭け方です。もし、最初にどんな現場に触れられるかで会社を選びたい若手がいたら、規模の大きさだけでなく、「入って何日目に、本物の仕事に触れられるか」で見てみてください。それだけで、会社の見え方は、けっこう変わるはずです。


沼田海斗(ぬまた・かいと)
株式会社K.Platinum代表。24歳で起業し、ITコンサルティング・受託開発・プログラミングスクールを手がける。「伸びしろのある人を、早く本物の実務に触れさせる」ことにこだわり、17人・フルリモートのチームづくりを続けている。


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