〒124-0023
東京都葛飾区東新小岩2丁目23−17

2026年7月21日

NTTデータが16年連続1位の2026、知名度ランキングに一度も載らない17人が「選ばれる」には — ブランドで戦わない採用広報の話

スーツ姿のアニメ風の女性が、企業のランキング一覧が表示されたスマートフォンを見つめている。背景には、採用情報や企業の理念に関する日本語のテキストが表示されている。.

こんにちは。ITコンサルティングと受託開発、それにプログラミングスクールをやっている会社の代表、沼田です。17人・フルリモートの小さな会社をやっています。

毎年この時期、就活の人気企業ランキングが発表されます。今年も眺めていて、僕は思わず苦笑いしました。「うちの名前、当然ながら、どこにも載ってないな」と。載るわけがない。でも、載らない側の会社にも、採用したい気持ちは同じだけある。今日は、知名度ランキングに一生載らない17人の会社が、それでもエンジニアに「選ばれる」ためにやっている採用広報の話を書きます。


ランキング上位は、今年も大手SIerで埋まっていた

まず現実の確認から。みん就(みんなの就職活動日記)が出した2026年卒のIT業界人気ランキングで、NTTデータが16年連続で1位でした。16年連続ですよ。続くのも富士通、SCSK、CTC、Sky、オービックといった、名の知れた大手・中堅SIerが並びます。

面白いのは、ここ最近、生成AIを積極的に活用しているとアピールするSIerが順位を伸ばしていること。学生は「AIに強い会社で働きたい」と感じているわけです。技術トレンドへの感度は、ちゃんと就活にも出ている。

で、うちみたいな17人の会社はどこにいるか。ランキングの外です。100位にも200位にも入らない。そもそも母集団に存在すらしていない。これは悔しがる話じゃなくて、ただの構造です。認知度で競う土俵に、17人の会社は最初から立てていない。

学生がタイパで動く時代、無名は"検討にすら入らない"

ここで、もうひとつの2026年らしい変化が効いてきます。学生の「タイパ意識」です。

今の就活生は、限られた時間で効率よく企業を絞り込もうとします。無数にある会社を全部調べる時間はないから、まず「知っている名前」「ランキング上位」でざっくり候補を作る。そこから絞っていく。これ、責められないんですよ。膨大な選択肢を前にすれば、誰だって手がかりのある方から見る。

でも、この動き方が、無名の小さい会社には一番きつい。知名度で候補を作られると、うちは"比較で負ける"以前に、"検討のテーブルにすら乗らない"。悪いと判断されたわけじゃない。存在に気づかれていないだけ。採用の失敗のうち、いちばん多くて、いちばん見えにくいのが、この「そもそも知られていない」なんです。

昔の僕は、ここで「知名度を上げよう」と考えていました。広告を出す、露出を増やす、名前を売る。でも、少し考えればわかります。認知の総量で大手と殴り合っても、勝てるわけがない。予算が二桁も三桁も違う。同じ土俵に乗った時点で負けなんです。

だから、知名度で戦わない

ランキングの土俵では戦わない

そこで僕がたどり着いた結論はシンプルです。知名度で戦うのをやめる。

代わりにやるのは、「広く浅く知られる」ことではなく、「出会った少数に、深く伝わる」ことに全部を寄せる。認知の総量では勝てないけれど、一人ひとりに届く情報の"深さ"なら、小さい会社のほうが有利なんです。

大手は、応募が多すぎて、一人の学生に会社の中身を丸ごと見せることはできない。テンプレートの説明会、整った採用サイト、そつのないパンフレット。どうしても平均化される。一方うちは、17人しかいないぶん、来てくれた一人に、会社の"生"をそのまま見せられる。誰と働くのか、どんな案件が動いているのか、入って半年で何に触れるのか。顔と中身が、全部見える。

だから、うちは中身が伝わる場所を自分で持つことにしました。整った会社案内ではなく、社長である僕や現場のメンバーが等身大で発信する場所。まさに今読んでもらっているこのブログも、その一つです。知名度がないなら、知名度がなくても伝わる中身を、自分の言葉で置いておく。それしかない。

17人ITコンサルの、採用広報のやり方

総量でなく、深さで刺す

具体的に、うちが採用広報でやっていることを3つ書きます。

ひとつめは、社長と現場の"顔"を出すこと。会社のロゴや理念だけを飾っても、学生には何も伝わらない。誰と働くのかがわからないからです。だからうちは、僕自身の考えも、現場メンバーの人となりも、できるだけそのまま出す。「この人たちと働くのか」が想像できると、無名でも急に距離が縮まる。名前で選べない会社は、人で選んでもらうしかない。

ふたつめは、実際に動いている案件を見せること。「成長できます」「裁量があります」みたいな抽象論は、どこの会社も言うので、学生からすると一番信じられない言葉です。だからうちは、今まさに動いている受託やコンサルの案件を、差し支えない範囲で具体的に見せる。「この技術で、こういう課題を、こう解いている」と。抽象的な魅力でなく、具体的な仕事で語る。

みっつめは、入って最初の半年で触れる範囲を、正直に出すこと。大手だと配属も担当も入ってみないとわからないことが多い。うちは17人なので、「入ったら、この技術に、この人と一緒に、この案件で触ります」と、最初からはっきり言える。この"解像度の高さ"は、規模が小さいことの数少ない武器です。学生の不安は、たいてい「入ってから何をやるかわからない」ところにあるので、そこを先に潰す。

この3つに共通しているのは、認知の"総量"を増やそうとせず、届いた一人への"深さ"に全部を賭けていること。1万人に名前を知られるより、100人に中身が深く伝わるほうを取る。うちみたいな会社は、それでいいんです。

前職のスタートアップITコンサルにいた頃から、僕は「有名な会社」より「中身の濃い会社」で働くことのほうが、技術者としてよほど幸せだと感じてきました。だから独立して自分の会社を持ったとき、採用でも見栄を張るのをやめました。24歳で起業して、この3期目(27歳)まで、知名度ではずっと最下層。でも、中身で選んで入ってくれた人は、定着も伸びも、驚くほどいい。

もし「知名度より中身で選びたい」というエンジニアがいたら、うちの採用ページを覗いてみてほしい。派手な会社案内はないけれど、中身なら自信があります。

認知の総量でなく、深さで刺す

まとめます。人気ランキングはNTTデータが16年連続1位、上位は大手SIerが独占。学生はタイパで動き、知名度で候補を絞る。この構造の中で、無名の小さい会社は"検討にすら入らない"というハンデを負っています。

でも、だからこそ、知名度で戦ってはいけない。認知の総量では絶対に勝てないんだから、勝てる土俵——「届いた一人への深さ」に、資源を全部寄せる。顔を出し、実案件を見せ、入って半年で触れる範囲を正直に語る。派手さはないけれど、これが無名の会社の"選ばれ方"だと、僕は思っています。

このブログ自体、その実験でもあります。知名度がなくても、中身を自分の言葉で置いておけば、同じ悩みを持つ経営者にも、うちに合う学生にも、いつか届く。ランキングに載る日は、たぶん来ません。それでいい。載らない側の会社なりの勝ち方が、ちゃんとあります。


沼田海斗(ぬまた・かいと)
株式会社K.Platinum 代表。ITコンサルティング・受託開発・プログラミングスクールを手がける、17人・フルリモートの会社を率いる。知名度ではなく「中身」で選ばれる採用と組織づくりにこだわっている。


K.Platinumでは一緒に働くエンジニアを募集しています。「実力で正当に評価される環境」に興味がある方は、ぜひ採用ページをご覧ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

envelopemap-marker linkedin facebook pinterest youtube rss twitter instagram facebook-blank rss-blank linkedin-blank pinterest youtube twitter instagram